闇金ウシジマくん、最終話 完結46巻 感想
※ネタバレ注意です※
世の中の闇の部分を描いた有名な作品「闇金ウシジマくん」がついに46巻にてついに完結いたしました。
不死身だと思われていた 主人公カウカウファイナンスの社長である 丑嶋馨の結末が何とも言えない切なさでした。
丑嶋馨といえば、幼い頃から、働かない父親と、病弱な母親と貧乏暮らしでした。
そして、手のつけようのないくらいの不良でした。
でも、丑嶋馨は、ひとつ筋の通った人間で、「奪われるなら奪う」とゆう独自の考えを貫く男でした。
今では相棒である江崎もそんな丑嶋馨の人間性に引かれた一人なのです。
しかし、彼にはやはり敵が多かったのです。
丑嶋くんの最終回は、以前から対立の立場だった滑川との最終戦になります。
滑川は、丑嶋馨と違いヤクザでした。
滑川のグループの一員を丑嶋くんが殺めたのが対立のきっかけとなりました。
元々敵同士でしたが、滑川は、丑嶋くんを自分の舎弟につくように命令します。
殺し屋に命を狙われ、八方塞がりになり滑川の命令を聞くしかなくなってしまいました。
それでも丑嶋馨は、最後まで滑川の命令を聞くのを拒みました。
江崎も、そんな丑嶋の味方でしたが、ついに滑川の元へつくように丑嶋を無理矢理つき出すのでした。
そんな最終戦のさなかに、幼なじみで相棒の江崎の母親の誕生日がきました。
家庭に恵まれなかった丑嶋が唯一、江崎の母親を大切にしているのです。
江崎の母親は、息子と同じように丑嶋に接し、最終戦で命を狙われている中、体を壊すからと丑嶋に手作り弁当を渡したり愛情をかけるのでした。
丑嶋は、敵にその愛情弁当をぶちまけられようが、拾って食べるのでした。
冷酷で捨て身の丑嶋が唯一信頼している様子が人間らしくて、とても良いシーンでした。
一方、丑嶋を滑川につきだした江崎は、丑嶋を裏切ったようにみせる演技をし、滑川と杯をかわす儀式に、滑川が殺し屋に丑嶋を殺すよう指示した際に手にした毒要りの水を進めるのでした。
危うく殺されかけた、丑嶋を江崎が間一髪で救うのでした。
二人の絆が描かれたとても感動的なシーンでした。
そして、丑嶋は、かなりの怪我を負うものの、江崎の気転により、警察へとつきだされてしまいます。
見事に丑嶋の勝利となりました。
そして、今までの丑嶋を取り巻いてきた、仲間や同級生に笑顔が戻り、新たな平和が訪れようとしていました。
相変わらずの相棒江崎とカウカウファイナンスのメンバーが飲み会で丑嶋の来るのを待っていました。
丑嶋は、回収業務をしていたのでした。
丑嶋からの最終のお客となったのは、以前から母親がカウカウファイナンスの常連であった娘でした。
母親の借金を払うため、風俗で働く娘。
そして、最後の回収の日でした。
丑嶋は、その娘から最後のお金を受け取り「これで完済だ」と言いました。
そこに、娘の弟がナイフを持って姉を殺しにきました。
それを丑嶋がかばって娘を守るのでした。
腹をさされた丑嶋は、救急車を呼ぶのを拒み、娘のアパートを出ます。
そして、江崎に最後の回収が終わった事を告げる連絡をするのでした。
そんな事は知らない、江崎や仲間達は、笑顔で社長の帰りを待つのでした。
しかし、丑嶋は、ナイフで刺された傷が致命傷となり路上に倒れてしまいます。
はっきりした描写はありませんが、おそらく、丑嶋は死にました。
一人ぼっちで、のしあがり、大金を手にした丑嶋馨が、最後に思った事は何だったんだろうか、たった一人で死んでいった丑嶋は幸せだったのだろうか、とても切ない最終回となりました。
自己を貫き、生涯悪だったけれど、人間的な愛情を確かに持っていたと読者は丑嶋の人間性をそう語るのではないでしょうか。
幸せな結末を望んでいましたが、最終的に人を守って死んだ丑嶋馨はやっぱり最高にカッコ良かったです。