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椿町ロンリープラネット、最終話 完結14巻 感想
※ネタバレ注意です※
ついに物語が完結し、まるで長い長い人生の走馬灯を見ていたかのようでした。
一瞬に思えていたものが、実はとても深くて濃い物語だったと思います。
最終回で、ついに主人公のふみと暁先生は結婚しました。
2人の結婚式が、和服で日本風なのが、また彼ららしいと思いました。
最終回の中で一番印象的だったのは、暁先生の変化です。
彼は最初の頃、とても無愛想で人相も悪く、正直苦手な感じがしていました。
しかし、最終回では穏やかに微笑み、とても幸せそうに笑っていました。
それを見て、この人がどれだけ優しく愛情深い人なのか、やっと理解しました。
ふみの言葉通り、暁先生は口下手で不得手なだけで、本当は誰かのことを大切に思える人なのだと、痛感しました。
最終回での表情の柔らかさは、他とは比べ物になりません。
ふみに対して、これまでの感謝を伝えつつ、プロポーズをした姿は、とても感慨深いものでした。
暁先生に拍手を送りたいものです。
また、もう一つ印象的だったものがあります。
これはストーリーに直接は関係していませんが、絵柄がとにかく綺麗だったのです。
以前からこちらの漫画家さんの絵はとても綺麗だったのですが、今回最終回では、特にキャラクターの表情が素晴らしかったです。
ただ涙を流すのではなく、その瞳に入り込む光であったり、頰の紅潮具合がとても良かったです。
プロポーズに対して嬉し涙を流すふみが、私の中で一番ベストでした。
女子高校生らしく、うぶで可愛らしい印象から、少し大人になって妻となる姿が想像出来ました。
最終回のストーリーの中では、最後の最後で時系列が飛んでいきます。
結婚し、2人のその後が描かれているのです。
暁先生が、その後小説家としてさらに成長し、直木賞を取っていたり、ふみと暁先生の間に子供が生まれていたり、そんな2人の未来が写真から垣間見ることができます。
物語の題名である、椿町。
最後の最後で、この椿町をメインにして物語は幕を閉じます。
最終回の最後の締めくくりは、この漫画の始まりと同じ言葉でした。
それはまるで合言葉のように、物語に華を添えていたと思います。
もちろん話のメインはふみと暁先生ですが、2人の周りのカップルも大注目でした。
ふみの親友である洋は、一心と付き合い、そこから結婚にまで至っています。
2人はずっと平行線で、一心が奮闘していたのを知っていたので、頑張ったねと声を掛けたくなりました。
また、鞍月先輩は大黒先生とどう結ばれるのだろうと、実は気を揉んでいたのですが、まさか鞍月先輩が先生になるとは思っていませんでした。
ようやく同じ目線で立てるからこそ、これからの恋の進展に期待です。
また、暁先生の恋のライバルでもあり、親友でもあった吾郎は、私の中ではかなり一押しでした。
ふみの事をあえて言葉にして好きとは伝えず、その胸に秘めて2人を祝う姿はとても大人だと思います。
実はこの中で一番の苦労人だとは思いますが、そんな彼がとても印象的でした。
彼にも幸せになってもらいたいです。
椿町ロンリープラネットは、このようにさまざまな魅力的なキャラクターによって紡がれていました。
どのキャラクターも素敵で、読み終わった後は、自分もこんな人と付き合えたら良いのにな、と思えるようか物語となっていました。
もちろんフィクションですが、主人公が恋に悩んだらする姿は、とてもリアルで共感することができました。
最初に述べたように、1人の人生を一緒におっていったような、そんな感じがします。
最終回となってしまったのがとても寂しく、切ないです。
ですが、これならもどこかで彼らの物語が続いていくのではないかな、と思います。
満足のできる、とても素晴らしい最終回でした。
