のだめカンタービレ、最終話 完結25巻 感想
※ネタバレ注意です※
のだめカンタービレは、クラシック音楽をテーマとしたラブコメ漫画。主人公の野田恵、通称のだめ役を上野樹里、千秋真一役を玉木宏、他豪華キャストが演じたことで人気ドラマとなったことでも有名。
登場人物は、愛称のだめこと野田恵。音大に通う大学生である。ある日のだめが自宅マンションへ帰ると、家の前に千秋真一が酔っ払って眠っていたため、中に連れて入った。
千秋が目を覚ますと、そこはまるでゴミ溜めのような部屋。そこで美しいピアノソナタを引く女性を目にする。
その異様な光景に驚き、飛び起きるが、驚きとゴミの異臭に耐えられず思わず部屋を飛び出す。
そこは自分の部屋の隣であった。
そこから二人の仲は急接近することとなります。
のだめは幼稚園の先生になることを目標として、ピアノは楽しく弾くものとし、楽譜も無視して好き勝手に自由本舗に弾きます。私生活もだらしがなく、ポンコツ状態でした。
一方で、千秋は才能あるエリートでしたが、飛行機恐怖症で海外に行けず、おまけに指揮者を目指していながらもピアノ科にいました。
そんな二人でしたが、自由奔放ではあるがのだめの奏でる音楽に才能を見出す千秋と、また千秋に音楽を奏でる楽しさという本来の気持ちと、新しい道を導くかのようなのだめ。この二人とそれらを取り巻く愉快な仲間たちは次第にそれぞれ成長していきます。
以降23巻(24,25巻は番外編のため)
千秋はのだめのおかげで飛行機に乗ることができるようになり、無事ヨーロッパへ行くことができます。
のだめもピアニストとして羽ばたいていきます。
真一は自分のオケを持つようになり、リハーサルや勉強で大忙しです。
そんな中、のだめはおかしなコスプレで駆けつけますが、いつも通りふざけたのだめに激しめのツッコミを入れる千秋です。
オケは個人の主張が激しい調和の取れない者同士で、どうもみんなの息が合わせらず、収拾がつかない状態でした。
リハーサルが終わり、クタクタで帰ると、のだめはまたおかしなことを言ってふざけていたので、案の定怒られます。
そんな調子だったので、千秋は不安が募る一方でしたが、本番当日はなんとかミラクルが起き、無事成功に収まります。
それによって、千秋はこれからもオペラをしていくことを心に決めます。そして、修行に行くことになります。
そうなるとのだめとは離れ離れになってしまいますが、これからものだめとは離れることがないよう、のだめにプロポーズをします。
のだめカンタービレはクラシック音楽がテーマになっているので、やはりコンサートやリハーサルのシーンが多いです。ドラマ化、映画化がされていて、どちらも演奏のシーンは圧巻で見どころとなっています。
千秋の指揮者っぷりものだめの演奏の美しさ、どちらも見ている者の胸を打つシーンとなっています。それは音あっての表現と言っても過言ではありません。
それを楽しめるのは、ドラマや映画かもしれません。
なので、漫画だけではなくドラマ、映画ともにおすすめしたい作品です。
ですが、漫画でも十分楽しめます。
この作品の面白さは、個性豊かな豊富なキャラクターです。のだめも十分に個性的でぶっ飛んだキャラクターですが、それを取り巻くオケの仲間たちも負けないくらい個性豊かです。それぞれの悩みや葛藤、苦悩も描かれています。
千秋も千秋で、才能あるエリートでありながら、人と馴染めず、どこか周りを見下すような冷たい態度が、人をさらに遠ざけていました。
おまけに、音楽の本場であるヨーロッパにドブことすら出来ません。
そんな状況に悲観し、どこか投げやりでいましたが、そこからの挽回も素晴らしいです。
のだめのような純粋に音楽を楽しむ者、また情熱あふれる各キャラクターと一緒にオケをすることで、千秋が一番変化したのではないかと思います。