ばらかもん、最終話 完結18巻 感想
※ネタバレ注意です※
18+1巻の感想になります。
舞台は長崎五島、東京の書展会で偉い人を殴り、同じ有名書道家の父親のススメで、そこで暮らすことになった心折れた書道家半田先生と島民の繋がりや暮らしがリアルに描かれてる作品です。
最終巻は、島を出て行く事になった若者達や先生を取り巻く人物像のその後が描かれてます。
これからも島民や先生の数年後が読みたくなる内容です。
作者のヨシノサツキ先生が、五島出身で、方言、風習、食べ物と全てリアルで、実際行ってみたくなります。
特に食べ物で「このもん」これは九州南部のたくわん、ぶぶ漬けのような物です。
そして「かんころもち」お芋で作られた保存食で焼いて食べると、ほっこり!ほんのり甘くて美味しい!
かんころもちは、五島に行かないと買えない商品でしたが、作品がアニメ化された事もあって、某通販サイトのお取り寄せも出来るようになってます。
一時期お取り寄せナンバーワンでした。
読めばきっと食べたくなりますよ(笑)
作者のヨシノサツキ先生は人物の書き分けがとても上手で、個性も様々です。
最終巻は、フルカラーで1P四コマ形式で、各登場人物の今が描かれています。
各キャラの今と人間関係が分かって大変面白いです。
ネタバレになってしまいますが、高校卒業後、五島を出て、料理人になるヒロシの東京生活が描かれています。
主人公の書道家、半田先生は都民なので、ストーリーの中に沢山の東京からの友人や両親が登場します。
半田先生をライバル視していた実際は大ファンだった康介君がヒロシに懐きます。
東京を色々案内して、原宿でわたあめ食べたりと、可愛いフォトジェニックな場所をあんないしますが、しっかり者のヒロシには、空回り。
康介君は書道家で有名人ですが、友達がいません。
劇中で、ヒロシに、康介とはフツーに友達と言われ、格上げされた?と問う康介に
お前のことはずっと友達だとおもってるぞ、と
友達に友達宣言する奴いる?
ってヒロシの言葉が印象的でした。
東京と五島を行ったり来たりするおはなしが多く、田舎と都会のギャップがとても楽しいです。
書き下ろし漫画は、手から墨が出たり、巨大化したり、手から卵焼きが出るようになったり、全てを消し去るなど特殊能力を手に入れたり…
島民が入れ替わると言う内容のおはなし。
ヤスバ(村一番の長老)が小学生といれかわり、「小学生からやり直そう」と言ったり。
半田先生の体に腐女子のタマが入って、半田先生貞操の危機になったり(いろんな意味で)
半田先生は、なると入れ替わり、なるは半田先生と入れ替わり、内容はハチャメチャです。
主要キャラ以外にも、色んなキャラが出て来て総出演!
これもキャラの個性が現れてます。
後は、今まで描かれた、付録や販促ポスター、単行本未収録カラーイラストなど、フルカラーページ100ページ程収録!
お値段以上です。
最後に、半田先生の過去(父親のお話、こちらのお父さんのお話は「ととどん」としスピンオフされてます。)
(半田先生の若い頃のお話も「はんだくん」としてスピンオフ作品として数巻出ています)
半田先生となると島を離れた大人になりかけの友人達の少しだけ未来のお話が描かれています。
主人公の半田先生と、初登場の中学生は海に釣りに来ています。
今まで通りのまったりした雰囲気。
注目は本編で子供だった「なる」の中学生であろう後ろ姿、海から突然飛び出して来て「素手でタコとったどー!」と叫び、どのように成長したか、海の水でトレードマークだった結んで跳ねた髪や、制服の袖など、上手くぼかして描いてある所がミソかと…
これがなるの成長した姿なのか?
どんな風になったんだろうと、想像を掻き立てられます。
東京に料理修行に行ったヒロシ
高校が無くなり、長崎本土の高校に行った中学生組のその後も、セリフ中で想像できます。
最終回は、
「終わりのはじまり」
まだ、終わらない最終回と言う印象でした。
とても心温まるストーリーで
本格的なヒューマンドラマです。
心がくじけそうなった時読むのにおススメの漫画です。
袋とじが付いています。
初期設定や裏話、これは購入後のお楽しみに!