美少女戦士セーラームーン、最終話 完結18巻 感想
※ネタバレ注意です※
泣き虫だった女の子が、一人の立派な戦士になりました。
最後の敵となるセーラーギャラクティカは、次々とうさぎの愛する人を、仲間を奪っていきました。
どんどん孤独になっていくうさぎを支えたのは、どこから来たか分からない女の子ちびちび。
そして、キンモク星丹桂王国第一皇女である火球皇女と、彼女のセーラー戦士スターライツだけなのです。
こんなに、仲間を失ったセーラームーンは無力なのかと思いました。
そして、未来からやって来たちびうさによって、未来でも仲間が消えている現実を知らされてしまいます。
もう、立ち直れないのではと思いました。
愛と正義を信じて戦ってきたうさぎにとって、セーラームーンとして戦うのは、愛する人や仲間がいたから。
皆を守る為に戦ってきたのです。
ですが、うさぎは再びセーラームーンとして立ち上がりました。
でも、この時の彼女は今までとは違った気がします。
今までは誰かの為に戦ってきた彼女ですが、今度は仲間を取り戻す為、言わば自分の為の戦いに向かったのです。
でも、そんな彼女を待ち受けていたのは、あまりにも非情な現実でした。
仲間は全てセーラーギャラクティカの配下となり、次々とセーラームーンに攻撃してくるのです。
ですが、仲間を攻撃出来ないセーラームーンは、ボロボロになり、それでも反撃出来ない中、これ以上ない悲劇が待ち受けているのです。
愛する人、衛までがセーラーギャラクティカに支配されているのです。
愕然とするセーラームーンの前で、セーラーギャラクティカは、衛をはじまりの海へと突き落としたのです。
はじまりの海に落ちれば肉体は滅んでしまうのです。
その時、セーラームーンは未来からやって来たちびうさを見るんです。
その時に、彼女は母としても成長していたんだと思いました。
「うさぎ」
と、自分の名前を呟いた春寒に消えてしまったちびうさを見て、どれだけ孤独になったのでしょう。
もう、彼女には誰もいません。
愛する人も、仲間も、共にギャラクティカを倒そうとやって来た火球皇女も、スターライツも。
でも、セーラームーンは知ってしまいました。
セーラーギャラクティカもまた、カオスに利用されたに過ぎなかったのです。
孤独だったセーラーギャラクティカは、力を求めていました。
ですが、彼女が本当に欲しかったのは愛する人や仲間だったのかもしれません。
だから、セーラームーンから全てを奪いたかったのかもしれません。
窮地に陥ったセーラーギャラクティカをも、セーラームーンは助けました。
もう、誰も失いたくはなかったのです。
例え、それが自分から全てを奪った相手でも。
セーラーギャラクティカは、未来を諦めないセーラームーンの姿に、自分が本当に求めていた星だという事を知りました。
ですが、分かり合える筈の彼女もまた、カオスによって消えてしまいました。
それでも、セーラームーンは諦めませんでした。
カオスをも、彼女は包み込もうとしたのです。
はじまりの海であるコルドロンに自分から飛び込み、銀河を守りました。
そして、その姿はちびちび、未来から来たセーラーコスモスにも力を与えました。
彼女は、更に激しい争いと化した未来から来たセーラームーンだったのです。
彼女は、セーラームーンに再び戦う力を得て未来へと帰っていきました。
コルドロンの中で衛や仲間と再会したうさぎ。
やっと彼女は全てを取り戻したのです。
三十世紀で待っていると未来へかえっていくちびうさを見送るうさぎと衛は、やはり両親の顔をしていました。
平和な日々が戻り、衛はうさぎにプロポーズをします。
仲間に見守られ、誓いのキスをした瞬間、自分の中に新しい星が生まれるのを感じたうさぎ。
未来へと繋がった瞬間だと思いました。
永遠に美しく輝く星。
衛の言葉通りだと思いました。
