ラストゲーム、最終話 完結11巻 感想
※ネタバレ注意です※
小学生で初めて出会ったときには結婚するなんてと思っていた柳君と美琴ちゃんが挙式をする最終回にて、各キャラクターの大学卒業後何をどのような人生を歩んでいるか簡潔に描かれており、キャラクターの人生がリアルに起こりそうな設定なので読んでいて感情移入しやすく、コメディタッチなので楽しく読むことができる最終回の冒頭です。
柳君は俺様のつもりでも周りにいじられるキャラクターで、反対に美琴ちゃんは少し鈍感なクールなキャラクターなので、結婚式も普通の女性とは違い何でもいいと言って柳君がプロデュースするストーリーなのがとても面白かったです。
花嫁の美琴ちゃんのお仕度がすんで控室に入ったときに、これまでの柳君の美琴ちゃんの鈍感クールキャラにより幸せに不慣れな柳君の心境がすごく伝わるような作画とセリフが絶妙で、最終的に控室で柳君は感動泣きしたところで、すかさず親族が柳君が泣くかどうか賭けられていたという展開になりとてもほっこりします。
次に大学の後輩の相馬くんは美琴ちゃんに思いを寄せていた恋のライバルだったのですが、柳君をいじるために写真係にて美琴ちゃんの写真を撮るといういじりも入り、プロポーズのエピソードの内容などが描かれ、柳君の女子的思考過ぎて笑ってしまい、すべてが柳君のいじられ要素が盛りだくさんのストーリーです。
結婚式の控室での二人っきりの際に幸せをかみしめる柳君が初めて美琴ちゃんに名前で呼んでみるという提案で二人で名前を呼び合う初々しさが読んでいてむずむずするような感じがとてもよく伝わってきます。
バージンロードに場面が移動し、美琴母の送り出す気持ちの「おめでとう」と、美琴ちゃんの「ありがとう」が、セリフは少ないですが、父を亡くしてシングルマザーで頑張ってきた母と母を助けたい、力になりたいという思いが1巻から読んでいる読者としてはラストゲームという物語の全体を思い出させる深いセリフです。
そしてバージンロードを歩き終え、柳君のもとに行くと柳君がまた泣いてしまいながらも指輪交換のシーンがきて大学生の時に美琴ちゃんがまだ柳君を好きと気が付ていない時に話した「俺が勝ったら、左手の薬指に指輪をはめてよ」といったシーンの回想から始まり小学生の時から片思いをこじらせていた柳君の心情が丁寧にセリフや作画で表現され、誓いのキス!
タイトルのラストゲームにちなんで柳君が「ゲームセットってこと!」とウエディングドレス姿の美琴ちゃんを抱きしめるシーンが一人の男性が一途に一人の女性を好きで、長い時間をかけやっと振り向いてもらい、結婚するという流れが本当に素敵な展開です。
と思ったらさらに素敵な展開にになり、結婚式定番の記念撮影の時に、またまた柳君が美琴に勝負しようと言いだします。
その内容が、柳君と結婚して美琴ちゃんがすごく幸せになったら柳君が勝ちという勝負で内容。
そして柳君の最後のきめ台詞が「俺が勝ったら、ずっと俺の隣にいてよ」という締めのセリフ。
こんなこと言われたら世の中の女性はもうメロメロになると思います!
というか言われてみたいと思わせるこれまでの柳君のキャラクター設定にすごく萌えます。
余談のページでは披露宴にて柳君パパにも空港でキスしてはじけているところの隠し撮りを披露されいじられるなどいうのが見ていて柳君はとても素敵な家族に育てられたんだなと感じ取れる1ページでとてもほっこりします。
最終回で感じたことは、1人の人間の生き方や性格が読んでいる人が共感できるような設定で、なおかつ主人公たちが成長した姿を時の流れに沿うように描かれており、最終回のストーリーは結婚式という定番的展開ですが、その展開が丁寧に描かれており、締めくくりとして読んでいてとても面白い作品です。