電撃デイジー、最終話 完結16巻 感想
※ネタバレ注意です※
最終巻が一番好きな展開の「電撃デイジー」です。
この物語の一番の魅力は「純粋な主人公の女子高生」と「大人な男クロサキ」なのですが、読者の希望をこれでもかとふんだんに取り入れてくれた作者様の気遣いにも感動する漫画です。
この最終巻の16巻は、本編の最終話が一話分で後は番外編で構成されているのですが、番外編が多いということはそれだけ最終話が終わった後も続きが見たいとの読者からの強い希望も伝わってきます。
私もその中のひとりで、出来る事ならもっともっとこの物語を読んでいたかったです。
番外編で多くの読者が骨抜きにされたのが「デイジースペシャルエピソード2」だと思います。
主人公たちのその後の日常が描かれていて、平和な日常、何かに挑戦していく姿などが丁寧に描かれていて、ああこういう生活を送っていってるんだなと知ることが出来てとても嬉しかったです。
登場人物ひとりひとりに愛着が湧いてくる作品なので、全員のその後を知れて嬉しかったですし、こんなに教えてくれる作者さんの人柄すら尊いと感じました。
私の一番好きな「エピソード2」では、登場人物が交流を深めるために週末に家に集まって食事会をするのですが、ひととおりみんなで談笑して食事会が終わり、後片付けをし、ソファに座り一息するシーン。
そこで酔っぱらったクロサキが主人公の照(テル)に優しくキスをする…からの、大人のディープキスにまでいってしまうというシーン。ここで読者はほとんどやられたと思います(笑)。
私もこのシーンのために今までの15巻があったのか!というほど本当に骨抜きにされたシーンです。
女子高生で純粋ゆえに照は耐えきれなくて倒れるのですが、それもまた可愛く…
二人の幸せな顔と、クロサキの大人の顔をみるのがたまりませんでした。
普段はおちゃらけて気さくなお兄ちゃんのようなクロサキがたまに見せる「大人の部分」に、主人公照もそうですが読者も大分ドキドキさせられました。もっと見たい!と思いますが、見たら見たで「本当に完結」してしまう感じがするのでこの「ちょうどいい所でとめる」という意味で、物凄く納得した作品でした。
女心は複雑なところも、女性の目線なのですごくちょうど良くて…この感動を伝えたくて他の人にも勧めたほどです(笑)
作者さんはギャグもふんだんでそこも大好きなのですが、その後の物語も、置き去りにされた赤ちゃんを二人で面倒を見るうちに何となくお互いの将来を意識しだして、「あ、この二人は幸せに結婚して家庭を気付いて、楽しい生活を送るんだろうな」という結末に向かっていくので本当に見ていてハッピーな気持ちになります。
そして最終巻だけでも何回も読み返してしまいます。(勿論その他の巻も読み返します)
その他の番外編も、照のお兄ちゃんとその恋人理子さんとの過去がまた掘り下げて描かれていてまた涙したり、理子さんには幸せにはなってほしいけどずっと照のお兄さんのことを思って生きていくんだろうな…とまたその深い愛情に涙したり…二人にしか分からない愛情で、兄の死が本当に悲しかったですがそれでまた気づいた事も沢山あり、愛も沢山あって、死は悲しいけど先に進める気持ちになりました。
全てのエピソードにそれぞれの感動がまた沢山あります。
とにかく涙が止まらない漫画で、本当に大好きな作品です。
しかも最後にはこの作者さんのデビュー作まで収められていて、この漫画で作者を知った私にはとても嬉しいサプライズでした。デビュー作も前向きな女の子が主人公で、とても好感が持てました。他の作品も知りたくなっちゃいました。
こんなにも「終わってほしくない漫画」だったのはこれが初めてかもしれません。
そして最終巻がこんなに盛り上がったのも初めてです。おすすめです!