GS美神 極楽大作戦！！、最終話 完結39巻 感想
※ネタバレ注意です※
およそ9年続いた連載の最終話という事でどういった終わりになるのかという期待も持ちつつ読み始めても十分満足できる最終話です。
舞台は急に未来になってしまうので不思議な感じではありましたがこれまで悪霊を祓いまくっていた主人公の美神さんがまさか祓われる立場になるなんて思ってもみなくてその展開だけでもドキドキしました。
事務所に悪霊として居座り続ける理由もわがままで自己中なものですが、美神さんらしいもので、普通ならあり得ないとおもうものですが、長年の読み続けている読者からすると美神さんらしいなあと納得してしまえてそれだけこの作品に長年引き込まれてきたんだなあと実感できるものでもありました。
近未来の話ということでSFチックな要素もありほんとにこんな未来だったらなあなどど想像をめぐらせるのにも面白い設定でした。
急に未来の話になり最終話なのに全部のキャラクターが大集合ってわけじゃないのかなと一抹の不安を覚えながら読み進めて行くとちゃんと未来という設定を活かし、バンパイヤハーフで何百年も長生きができるピートが夢を叶えてオカルトGメンになって出てくるという展開になりとてもワクワクしました。さらにアンドロイドのマリアをベースにロボットができているとの設定もあり、人気のキャラクター達がちゃんと設定を生かして出てきてくれるのは嬉しかったです。
美神さん達を祓おうとするもそもそも強い美神さんが祓えるわけがなくどう決着をつけるのかなと読みすすめていくと、結局ピートが解決してくれずっとここにいても大丈夫ですよとまとめることになり、これでいつまでも楽しく過ごしましたってなるのかなとみんなに思わせたところでまさかの自分から成仏しちゃう美神さんという展開にずっこけながらも、美神さんらしいやと笑いが止まりませんでした。
ここまででも十分どんでん返しで最終話としても満足行く内容なのですが、最後にまさかの夢オチというもう一つどんでん返しが待っていて本当にドキドキワクワクさせられる最終話だったと思います。
最終話だけど湿っぽくならないようにそして私達読者が寂しくならないようにとの思いなのかこれからも主人公やキャラクターたちの楽しい日常が続いて行くんだよ心配しないでねという配慮なのか、こういう展開になることで最終話で悲しいという気持ちよりもやっぱ美神さんたち大好きだなという気持ちが残る展開だったと思います。
最後の見開き部分で「これからも現世利益最優先」というセリフで締めくくってありましたが、このセリフと構図やテイストから初回の読み切りの美神さんが連想されてしまい、不覚にも最後のその見開きで泣いてしまいました。
いい最終話だなと思い何度も読み返してみましたが、読むたびにそれぞれのキャラクターの持ち味がきちんと表現されているように感じました。
横島君は未来でもいつも通りだし夢から覚めてもいつも通り。
おキヌちゃんもいつも通り優しく対応していて、自分が美神さんになって夢を見ていてそして夢から覚めたというような感覚にもなれるくらいでした。
この最終話を読んでまた全ての話を読み返してみたくもなりました。今までのエピソードのエッセンスが最終話のところどころに入っていたのでそう思ってのだと思います。
こうした最終話を描ける作者の人柄や気遣いなども感じ取れるもので、いろいろな漫画を読みましが1番いい最終話だと私は感じました。この作品は終わってしまうけどこの作品の方の作品がまた出るのならぜひ読みたいと思えました。
普段の内容はギャクっぽくもあり短編でも読めるタイプのものだったので最終話という着地点なんてないんじゃないのかと思っていましたが、長年のファンも納得いくいい最終話だったと思います。
