遠山えま先生の連載作品「魔女メイドは女王の秘密を知っている。」の最新話が読める「なかよし」は、毎月3日ごろに発売です
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もくじ
18話 5巻 なかよし 2024年12月号
出版社 講談社/2024年11月1日 発売
「くじ」から始まる婚約生活 ~厳正なる抽選の結果、笑わない次期公爵様の婚約者に当選しました~ / 1巻 -今だけ無料-
2023年8月10日まで
『私 ベル・キャロラインは このたび』
『本日初めてお会いいたしました』
『こちらの…』
『アレン・ルーヴェント次期公爵様と』
くんっ
「!」
「あなたはただ 笑っていればよい」
『婚約することになりました』
【―数時間前―】
「あぁ とうとう この日がやってきたな…」
「忘れ物はないか?」
「ベル」
「やっぱりもっと派手な髪飾りのほうが よかったかなー」
「ドレスももう少し いいものにしたほうが……」
「もう お父様ったら 心配しすぎですわ」
「このドレス お母様のものを縫い直しましたのよ ほらっ 裾のレースを付け襟にしてみましたの ちょっと気合い入れすぎたかしら」
「うちが貧乏なせいで…… すまんな…」
「ベルももう18歳になったというのに これまで社交界デビューの機会もなかっただろう」
「今日は この招待状のおかげで やっとお前を舞踏会に連れていける」
「嬉しいんだ……けれど」
「我が娘が周りからいじめられないか お父さんとっっっても心配なんだよぉ~~!!」
「向こうで新しいドレスを… いやでも王都の物価は高いから…」
『私が生まれる ずっと前』
『我が領地 パクス領は』
『数百年に一度の干ばつにより 甚大な被害を受けました』
『水不足のせいで農作物が満足に育たないため 国交もままならず 土地はどんどん衰退していく一方…』
『そのような状況下で』
『領民を守るために自ら借金を背負い 財政を立て直そうとした人がいました』
『それがキャロライン男爵 私のご先祖様なのです』
(…きっと)
(どこからもお声がかからず 他国と交流する機会のなかった私を不憫に思っているのでしょう)
くすっ
「大丈夫ですよ お父様」
「そんなに心配しなくても 今日の主役は私ではありませんし」
「舞踏会では次期公爵様の婚約発表がウワサされてるって サラから聞きました」
【情報通の幼なじみ サラ】
「私はあくまでも群衆の一人ですので 壁の花となって ひっそり見てますわ」
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