こっち向いてよ向井くん　最新話 / 34話

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『この恋は 一生かなわない…』

「ウミ！」

「ふ　　ふっふっ　　ふが　　ふが」

「また　　勝手に もぐり込んで」

「うっうっ　だって… ハルちゃんが　　ゆうべ あんなの見せるから…」　ごっつい恐いホラーＤＶＤ

「お子サマめ」

くしゃっ

「屁　　出そ…」

「イヤ―――　　サイテー サイテー」

バタバタ バタン

「ははは」

「ウミ――　　ハル――　　ごはんよ♡」

【母・ゾフィー ハンガリー人】

「おはよー おばぁちゃん　大盛りだね」

「美は“食”からじゃから♥」

【祖母 カネ】

『私は 荻原羽美(おぎわらウミ) １６歳　　平々凡々な高校生だ☆』

『３つ年上の兄・美斗(ハルト)は』

『なんと 芸・能・人』

『もっか売り出し中の若手俳優です』

『私は　　そんなハルちゃんの』

「ハミガキ粉ついてる　　ウミ　アホだな」

チョイ　チョイ

『ファン第一号ですっ♡♡』

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「勘当だ！」

「ええ！」

「結構」

「そ　苑生さんっっ」

つかつか

「兄さん！？」

「つきあいきれない！　こんなカビの生えた家」

「じゃあな！」

ピシャン

【桐原苑生(きりはらそのお) １５歳】

【生け花 桐花流 宗家 嫡男】

【私立 青風学園　　風見寮 入寮日】

すこ――――　すこ――――

（行儀の悪い女め）

「かわい――♥」

「美少女♡ 落ちてる――ッ」

「なんでこんな男子寮に！？」

ぱちっ

じ―――っ

（？　　？）

「あ！」

「かっ　風見寮って どっちですか？」

「……………………………君 入寮者？」

「はいっ」

「あれ！！　見えとるがな」

「すげ―――っ」

「なんか すげ―――っ　城みてえ――」

「ありがとうございました！」

【朝倉太陽(あさくらたかあき) １５歳】

「ぶはは　なんじゃーありゃ？」

「新鮮♡」

ど――ん

（鉄の扉……）

（くっ　重）

ギィ‥

「こ　こんにちは―――」

「やぁ　　君が“朝倉太陽(たいよう)”くん？」

「太陽(たかあき)ですっ！　よろしくお願いします」

「案内するよ 君は２１１号室だ」

「は　はいっ　ありがとうございます」

「驚いた？　　古い建物で…」

「あっ　はい」

「ゆーれい出るよ」　フッ

ひ―――

「うそぴょん」　くっ くっ

ぜ―― ぜ――

【ここ 私立青風学園は 創立８０年の伝統を持つ 元男子高】

【２年前に共学となり 女子はまだ極端に少ない】

【男子寮 風見寮は 創立当時の面影を残す】

『今日から ここで暮らすのかぁ…』

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