田村由美さんの連載作品「ミステリと言う勿れ」の最新話が読める月刊フラワーズは、毎月28日ごろに発売です
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もくじ
20話-1|15巻 月刊flowers 2024年12月号
出版社 小学館/2024年10月28日 発売
白蛇様の花嫁 2022年5月5日まで1巻まるまる無料
「修三郎」
「これ 俺が戻るまで預かっててくれ
「でも これ…」
「兄ちゃんの大事な学帽じゃ…
「俺が兵隊に行ってる間 お前が代わりに雛子を守るんだ」
「家を手伝って 父ちゃんを助けるんだぞ」
「それじゃあ 行ってきます」
「にいちゃん おなかへった!」
「しょうがないなあ」
「俺の分の芋やるよ」
『しばらくして 兄ちゃんから手紙が届いた』
『「戦地は とても寒いところで あかぎれだらけになってしまった」』
『「早く暖かい故郷に帰りたいよ」』
「降らねえなあ…」
「今年は空梅雨だな…」
《グ――――…》
(腹 減ったな…)
『次の年の夏』
『兄ちゃんは 小さな箱になって帰ってきた』
『親戚のおじさんが言うには 兄ちゃんは「しべりあ」で爆弾に当たって』
『バラバラになったんだそうだ』
「にいちゃん…」
「バラバラになったら もうこれは かぶれないね…」
『俺は雛子を守らなきゃいけない』
『父ちゃんを助けなきゃ』
『だって 兄ちゃんと約束したから――』
「あの すみません」
「女の子を見かけませんでしたか?」
「すいません あの…」
「!」
「お前 さっきから うるせえんだよ」
「あんまり しつこいと ぶん殴るぞ!」
『殴られる…!』
「おい お前」
「子供相手に何やってんだ」
「!」
「なんだ てめ… ……!?」
「大丈夫か?」
「いててて!」
「あ…」
「ありがとうございます!」
「向こう岸への乗り継ぎ場所は 島の反対側だぞ?」
「こんなところで何やってる?」
「あ あの… 妹とはぐれてしまって…」
「この野郎 調子に乗」
「ちょっと黙ってろ」
「!!」
「………」
「妹?」
「あ… はい!」
「一緒に船に乗ってきたはずなんですけど 気付いたら いなくなってて…」
「見かけませんでしたか?」
「船には乗った…?」
「となると迷子か 船頭が事務所に連れて行ってるかもしれないな…」
「事務所!?」
「どこにあるんですか??」
「ついて来い」
『事務所って 飯屋…?』
「あら辰彦 おかえり!」
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