なめて、かじって、ときどき愛でて　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『こんなことになるなんて』

「っ」

「――ん」

『思ってなかった』

「八重　　引っ越しちゃ やだぁぁ」

「心配すぎる…」

「田舎で ひとり暮らしなんて！！」

「大丈夫だってー」

「私のこと忘れないでね！？　　毎日連絡してね！？」

「サチコ重いぞ　カノジョかよ」

「うるさい！！」

『明日　　私は東京を発つ』

「田舎に引っ越すって言っても　　親が帰ってくるまでの１年間だし」

「電車で３時間の距離だし――？」

『親の海外転勤が決まったのは』

『突然ではありましたが』

「ねぇ…　　何でそんなケロッとしてられるわけ！？」

「へ？」

「ひとり暮らしなんてできんの 八重！？」

「んー？　何とかなるんじゃない？」

「楽観的！！　びびるわ」

「一緒に海外についてくか　　田舎のじいちゃんのアパートに住むか 選べって言われて」

「海外なんて行ったら　　みんなに全然会えなくなっちゃうし　　こっちかな☆って」

「そんなフワッ☆としてて大丈夫かよ…」

「怜央との くされ縁も　　ここまでかあ」

「卒業までいけると思ってたよねぇ――？　達者でなー」

「…っ」

「俺　　遊びに行くから！」

「八重も気軽に帰って来いよな！」

「…早く帰って来いよ」

「うん」

「いってきます」

『今まで16年間』

『平々凡々　　これといって何事もなく』

『友達には めぐまれて』

『フツーに過ごしてきた』

『思えばこれは 大事件だ』

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