花とゆめ 13号 忍恋（にんこい）、第16話 感想
※ネタバレ注意です※
杏子を助けに来てくれた 楓が、月白の命令により 寝台に縛りつけられてしまいます。
（私のせいで 楓が…… なのに 体に力が入らない…、私は 楓の側忍なのに…！）（私が 楓の側忍じゃなければ……）
悲しみと後悔に襲われる杏子ですが…、しかし 一方、楓に慌てる様子は ありません。
身動きの取れない状態で、自分を恨む者たちに 囲まれているというのに――
「そのナイフで1人ずつ私を刺すのかな？ まるで クリスティの小説みたい」「私は皆さんの恨みを買いすぎた」「本当に ごめんなさい、お詫びに皆さんに 有益な情報を持ってきました」
楓が持ってきていた バッグの中には、パソコンが入っていて ビデオ通話が繋がっています。
映し出された映像には、ハロウィンパーティーを楽しむ 少女の姿が。その子は、楓を恨む者の1人・岡山田会長の孫です。
さらには、同じく楓を恨む 梅田夫人の娘、木耳組長の愛猫もいました。
「忠実な部下達が ハロウィンパーティーを開いてくれたようだ、日頃お世話になっている皆さんの 大切な宝物をご招待するなんて 粋なサプライズだね」「…ただ、主人の帰りを待っている彼らに 教えてあげなくてはね、私はもう 帰れないと」
人質を取られた 岡山田会長たちは、一転して 月白にナイフを向けます。この話は なしだ、小僧には 指一本 触れるな、と。
解放された 楓は、すぐに 杏子の鎖を外してくれました。
すると、楓のおかげで 自由になれた杏子は、土下座をして 楓に謝ります…。
「すまない、私は… お前の役に立つどころか 危険な目に…」
私は 側忍失格だと思い詰めるほど、責任を感じている杏子は 慰めの言葉なんて求めていません。
でも、楓は「杏子が無事なら 私はそれで十分だよ」と 優しい言葉しか言ってくれないのです。
月白の件を片づけた 楓は、杏子と一緒に 帰ろうとします。
杏子が どのような気持ちで「側忍を…、クビにしてくれ、私ではダメだ…っ」と訴えているのか、楓は まったく理解していないため、逆に どんどん自分を責めてしまう 杏子――
「ごめん 杏子、もう二度と 君を危ない目に遭わせないと 約束するよ」
「謝らないでくれ……っ、悪いのは 私だ、私が…」
すると その時、兎守が 迎えにきました。そして、杏子を ひどく叱責するのです。
「的に捕まって 楓様のお手を煩わせるなど 不甲斐ないぞ！ それでも楓様の側忍か！！」
杏子は 厳しい兎守の言葉に救われます。彼に抱きつき、泣きながら 誓いました。
「悔しい！ もう二度と こんな失態は犯さない！！ 楓を守るのは 私だ！！」
きっと、杏子が 普通の女の子だったら、楓の優しさに キュンときて、嬉しくなるのでしょうね。
しかし 杏子は、楓の側忍で、楓を守るため 必死に頑張っている、忍びの者。
だから、慰めや 優しさではなく、責任を果たせなかった事を しっかりと叱ってほしかったのですね。
杏子が 側忍としての誇りを、強く強く 持っている事が、すごく伝わってきました ^_^。
とても良いシーンだったの思うのですが…、楓の 兎守を見る目と、兎守に投げられて 喜ぶ杏子に、笑ってしまいましたー！！！
