幸村アルト先生の連載作品「ピチカートの眠る森」の最新話が読める花とゆめは、毎月5日と20日に発売です
同時配信の電子版が便利でオススメ!
もくじ
21話 5巻 花とゆめ 2024年10・11号
出版社 白泉社/2024年4月19日 発売
踏んだり、蹴ったり、愛したり / 1巻 -今だけ無料-
2022年10月13日まで
(やっと金曜…)
(疲れた…)
「今日は終わり?」
「えぇ」
「おつかれ~」
「そっちは?」
「私はもう少し やってく ていうか~」
「佳帆は今日も “例のあの人がいるバー”に行くのかな?」
「なんか嫌ね その言い方…」
「だって男の人と飲んでるんでしょ?」
「佳帆ってば いつも仕事ばっかで」
「全然浮いた話もないんだから」
「仕事もいいけど そういうのも大事にした方がいいよ~」
「うーん…」
「本当にそういうんじゃないもの ただの友達よ」
「じゃあ お疲れ様」
『27歳 恋人はなし』
『けれど仕事に忙しい毎日に不満はなく』
『週に何度か お気に入りのバーに行って』
『いくつか年上の友人とお酒を飲む』
「あ」
「佳帆ちゃん いらっしゃーい」
「お疲れ様」
「今日早いな」
「早めに切り上げてきたの せっかく金曜日だし」
「ふーん」
「おつかれ」
『それが私の唯一の楽しみだ』
「ありがと」
「…二人さあ」
「とうとう付き合った?」
「えぇ?」
「ないわよ」
「何回目だよ 洋介」
「だって距離がさー…」
「泰とは本当 そんな感じじゃないし ていうかふつーにナシ」
「は?」
「おいおい照れんなよ 俺の顔好きだろ?」
「あんたは顔だけ百点 あとはクソ」
「殴っていい?」
「ほら」
「野蛮だし」
「酒豪だし」
「ニコチンだし 加えてクラブ通い」
「付き合ったらアウトな男の特徴コンプリート」
「付き合う気ないから いーんだよ」
「そうね」
「こうやって話すのは楽しいしね」
「だよなあ」
「本当に送らなくていいのに」
「なんか優しくて きもいわね」
「送り狼だよ」
「えぇ~…?」
〔ふっ〕
「なにそれ ありえな~~い」
「なんか悪かったわね こんなとこまで」
「それじゃあ」
「あんたも気をつけて帰りなさい」
「ね」
「……」
「…なんで?」
「送り狼」
「は」
「ちょ」
「まって…」
『酔いが加速して 全身の力が指先から抜けていく』
『そんな感覚』
『抗えなかった』
『明日の私に そういったら』
『なんていうだろう――』
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