別冊フレンド 12月号 PとJK、CASE 41 感想
※ネタバレ注意です※
大神くんと唯ちゃんの境遇は、たしかに 似ているようで似ていませんね。
ママが好きな平ちゃんは 大人になっても逃げられないから可哀想、という唯ちゃんの考えが切ないです >_<。
親を好きな事は 唯ちゃんにとって当たり前の事ではないんですよね…。
「パパのこと嫌いだから、唯は大人になったら すぐ逃げれる」
嫌いだから逃げられる・好きだと逃げられない、唯ちゃんの重い言葉に、それは そのとおりかも…なんて思ってしまって、まだ子供なのに そんな核心を突いた発言ができてしまう事に、すごく悲しくなってしまいました。
“お兄ちゃん”の存在で唯ちゃんの心は かなり救われてくれているとは思いますし、ご飯もたくさん食べれるようになったけど、パパがいる限り 唯ちゃんに平穏は訪れないわけで――――
唯ちゃんがパパに「あんたなんて大っ嫌い!!」と言うのも、大神くんが 唯ちゃんを助けたくて何とかしようとしたことも、何も不思議なことではありません。
しかし、力でねじ伏せて それで解決、なんていくわけないのに…。
大神くんが暴力で相手を従わそうとするのは 絶対に間違っている行為だけど、それも結局は これまでの生い立ちが大神くんに そうさせてしまってるのですよね T_T。
まだまだ大神くんだって子供で 間違っていることにすら気づいていないけど、怖い人に頼んで報復した!?!なんて どうかしてます!!!子供相手に!!!仮にも息子なのに!!!
そんなヒドイ男だとは まったく気づかず、今の生活を幸せだと感じていそうなママは 本当にダメな人だな・・・と思ってしまいました…。
大神くんが ケガの原因を言わなかったのは、お母さんと唯ちゃんへの気遣いですよね?
お母さんに思わず手を上げてしまった事は また間違っている事ですが、この状況の中で 泣きながら「がんばってるんだよ」と お母さんに言われても、呆れたような態度で貶してしまった 大神くんの気持ち、正直よく分かる気がしてしまいます >_<;
唯ちゃんは 大神くんのケガの原因を察していたのに、お母さんだけが何も知らず ただ泣いてるんですもん…。
でも 唯ちゃんが自分のせいだと思って謝ることも、それはそれで悲しすぎますね。
「唯がパパの言うこと聞かなかったから、平ちゃんが唯の代わりになった」
そんなふうに思ってしまう唯ちゃんの責任感に とても悲しくなってしまうけど、本当は唯ちゃんだって 無理して平静を保ってただけに決まってます。
だからこそ、「一緒に逃げるか?」と大神くんに言われた事で すべてから解放されたような気持ちになれて、涙が溢れるほど ものすごく嬉しかったのだろうなぁ…と思いました。
だけど、まだ子供の2人が 頼れる人もいないのに「逃げる」なんて、できるはずありませんよね T_T。
大神くんも いっぱいいっぱいの中で、唯ちゃんの前でだけは“良いお兄ちゃん”でいようとしていたことが、読んでいて ますます不安になってしまいました…。
(俺が見捨てたら、こいつは終わりだ)
そんな責任を 大神くんが1人で背負っても、背負いきれるはずがないのは 分かってましたから。
頼れる人が誰もいない環境に身を置いて、母の苦労を知って 反省する大神くんは悪い子ではないはずなのに、(俺が がんばんねーと)という焦りから 結局は悪い事をしてるんですし、そもそも無理な話だったんですよ…。
一応の目的地はあるとはいえ、大神くんの心にも 不安しかなくて、声を殺して泣く姿には 胸が痛くなりました >_<。
お母さんが捜し回って見つけてくれた事は、大神くんにとっては嬉しい事でも 唯ちゃんにとっては違う、という差が極端すぎて 本当にツラいですよね。
唯ちゃんの手を放して お母さんを抱きしめた大神くんは、その瞬間 唯ちゃんを“見捨てた”ってことになってしまったのでしょうか…?
お母さんが もう相手と別れていたとしても、大神くんは 唯ちゃんを助けたいという意志があって、でも唯ちゃんとしては“お兄ちゃん”に頼ることに もう希望は感じられなかったのだと思います。
唯ちゃんをパパのところへ戻してはいけない理由を、お母さんに言えば 何かしらの対応はできたのだろうけど…。
「言ったとおりでしょ 平ちゃん、平ちゃんはママが好きだから逃げられないんだよね、やっぱり そうだったね…」「…卑怯者だね、お兄ちゃん」
その時の大神くんが それ以上は何もできなかったんだろうことは予想できて、そして それは、もう家族ごっこは終わりだからだとか そんな理由ではなく、“見捨てた”という負い目があったからなのだろうな…と思いました。
でも、今の大神くんは 今度こそ唯ちゃんを守ろうとしているのですよね!?!
カコちゃんに 自分が知っていることを全て話したジロちゃんが、厳しい口調で「こっからどーすんのかは自分で決めろよ」と言ったことは意外だったけど、話を聞いた上でカコちゃんが どう出るか、確かめたかったのだろうなぁって思います。
まぁ 実際、「カコを やべーヤツに関わらせなくないという 平ちゃんの男心をガン無視してまで」知りたがってたカコちゃんに対して、本気で怒ってたのでしょうけど ^_^;
「仙道さんと わかりあえるまで とことん行くって決めたの!」「わかりあうまえに やべー父親なんかに とられてたまるか!!」「絶っ対、守る!!」
何の迷いも感じさせない カコちゃんの真っ直ぐさがカッコイイし、カコちゃんの覚悟を確認して「わかった」と笑うジロちゃんも すごくカッコイイ!!!
大神兄妹を守る!と決めたカコちゃん・ジロちゃん・三門 という頼もしい仲間が、今後の展開に どう関わっていくのか、どんな活躍を見せてくれるのか、とても楽しみになりました!