非合法ロマンス｜最新話5話【無料】ネタバレ

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

2024年2月7日まで

『あの日 俺は』

「ねぇ 梨里沙」

「何であの志月と たまに喋ってんの？　　あいつ きもくない？」

「ん～？」

「気持ち悪いよ 普通に」

『美しさに隠れる 恐ろしさと』

「でも ああいう下の人間にも優しくしたら　　私の株が勝手に上がるでしょ？」

「うわっ 腹黒～！　ぎゃはは」

『自分の立場の低さを思い知り　　失恋した』

「志月」

「学食行こうぜ」

「ノートまとめてから行くし 先 席とっといて」

「あ～？ 書くの遅せーな」

「席後ろだから見にくいんだよ」

「さっさと来いよ 晴野も一緒にいるから」

「おう」

『………　　成功した！！！』

『あの日をきっかけに 俺は高校デビューを決意　　そのため自分の欠点を とことん直した』

『そして高校生活が始まり一週間… 念願のスクールカースト中間層グループに所属することができたのだ！！』

『中学時代は最下層にいたことを考えると　　成功といっても　　過言ではないだろう』

『それなりの進学校を受験したこともあり　　陰キャ時代の俺を知る者はいない…』

『こいつを除いて』

「楠木さん～ ライン教えてよ」

「あ 俺も俺も」

『楠木 静　俺と同じ中学出身の女子』

『入学早々 学年一の美人と噂され　　すでに何人にも告白されてるとか 実はモデル活動をしてるとか 噂の絶えない人物だ』

（直接関わりはなかったが どんな奴かはよく知っている）

（なぜなら…）

『楠木も俺と同類だったからだ！！！』

『地味で暗くてボッチ』

『クラスは違えど よく図書室で一緒にいたから顔見知りではあるのだ』

（まさか楠木も同じ場所で高校デビューを目論んでたとはな…）

（成功ってか もう天下とったも同然じゃねーか！！　モテすぎだろ）

『…ふっ どうでもいい』

『俺は美人とは二度と関わらないって決めたんだ』

（厳密には…　　関われないが正しいんだけどな）

『だから元同類であっても』

『今後 話すことはないだろう』

『…と思っていたのに』

「た　　助けてください！」

『何だ この状況は！？』

『帰り道 ずっとついて来てると思ってはいたが　　まさか声をかけられるとは… 一体何の用だ？』

「え…あ　　すみません いきなりっ…」

「あーあー ごほんっ　　かはっ… げふっ！」

「あの…その　　わ 私は今 とっても困ってまして…」

「ぜ ぜひ相談にのってほしいのですが…」

『は！？ 今のお前に困る出来事なんか ひとつもねーだろ！』

「えっと そ そ それは…」

「おっ 同じ中学出身の　　志月くんにしか頼めないことなんです！」

『だから何に困ってんだよ！？』

「あっ！　　その前に お…お久しぶりです！」

「ずっと言いたかったんですが　　し…志月くん 随分変わりましたねっ！」

『～～～っ！！！』

「お前の方が十分変わっただろ！！」

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