若葉のこもれび｜最終回、結末【無料】ネタバレ

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

2024年2月13日まで

エクシア王国には最近 二人の聖女が召喚された

それは仲睦まじい姉妹だったが

魔族国家ドミナスとの戦いの中　　『姉聖女』は兵たちを庇って敵の手に落ち 惨たらしく殺されてしまう

その無念を晴らすべく立ち上がった『妹聖女』のもと　　今 民たちの心は一つになりつつある――

「……という感じで」

「なんか さくっと死んだ事になってるみたいですね　　私」

【『姉聖女』こと ヒナタ】

「おや…」

【魔族 アトラ】

「本当ですね…わあ 挿絵グロテクス　　僕 苦手なんですよ こういうの」

「敵側へのヘイトを溜めるためには 惨いほうがいいんでしょうね」

「まあ実際 私だって　　魔族の捕虜になるまでは こんな丁重に扱われると思ってませんでしたから」

【魔国ドミナス　魔王城内 客室】

そう　　本当の いきさつは こうだ

現代日本で会社員をしていた私は　　ある日 突然 この世界に召喚された

そこで『聖女』として エクシア王国(人間の国)を救う事を求められたが――…

「あの　　前職は ただの会社員で　　聖女らしいふるまいというのは どう…」

「ご自身で考えて いいようにやってくださいねえ」

「あの戦地への慰問って 回復魔法とかいりますよね…　　どなたかに やり方を教えて頂きたいんですが」

「今回は お言葉だけで結構ですよ」

「長居して聖女様を疲れさせては大臣にお叱りを受けます」

「部下の前で それ言えるんですか！？」

「志願兵募集の演説って」

「こんな薄給で 命かけて戦えなんて言えませんよ！」

「面倒くさいと思われて そのあと 素直な女子高生が召喚された途端　　厄介払いされましたよね」

「どブラックじゃないですか」

「でも…　　だから」

「こうして丁重に扱ってもらって なんですけど　　人質とかの価値はないと思いますよ」

「私は役目を果たせなかった人間みたいだから」

「まあ」

「別の世界にきてまで 自分本意な奴らの道具にされるより 百倍ましですけどね」

「そんな話 魔族の僕にして よかったんですか？」

「記事が出たって事は あの怖そうな魔王様も 私に価値がない事に気付くでしょう」

「それに　　仕事とはいえ 世話係さん(あなた)には よくしてもらってますし」

「……」

「聖女様は随分『いい子』なんですねえ　　ここには僕ら二人しかいないのに」

「そんな話を聞かされて…」

「……！？」

「どうなるか考えませんでしたか」

「え　　ちょっと何――…」

「仕事の愚痴なら 酒(コレ)がないと」

「…ど」

「毒入りだと思うなら 呑まなくてけっこうですけど」

「僕には貴女を殺すメリットがありませんし」

「不真面目な従者の気まぐれと思った方が お得では？」

無料期間が終わっても サンプル試し読みできます！　気になったら ぜひチェック♪