十年眠り姫　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『私は合田清香 十八歳』

『両親を事故で亡くし 天涯孤独の身』

「掃除って素晴らしい…」

「わっ　　すごいピカピカ！！」

『今は掃除好きが高じて 清掃業者でアルバイトをしている』

「いやぁ 派遣されたのが君で助かったよ　　またよろしくね」

「ありがとうございます」

『でも決して潔癖症ではない 人より少しきれい好きなのだ』

「さて 次の派遣先に行かなきゃ…」

「？」

「こんな所に 大きな姿見…」

「あ…汚れてる」

「素敵な鏡なのに　　もったいない…」

ズ　ブブ…

「っ！？」

『えっ！？』

『な…何！？』

『吸い込まれ…』

「きゃ――――！！」

「…いたた」

「ん…？」

「ここ…」

「どこ？」

『…海外？』

『とりあえず　荷物荷物…』

ぐるるるる

『う…こんな時なのに お腹空いた…』

「×××××× ×××××× ××××××」

『へ…誰？ ていうか…何語？』

「×××××× ××××××× ×××××××× ××××××」

「ちょっ」

「待って」

「×××××× ××××××× ×××××××　　××××× ××××××」

『なんか連れて来られちゃったけど…』

『おいしそう… 食べてもいいのかな？』

「××××××× ×××××××× ×××××××× ××××××」

『なんとなく食べてもよさそうな雰囲気…』

ぱくっ

「お…」

「おいしいっ」

「なんだい 言葉話せるんじゃないかいっ」

「えっ」

「黙って辺りをじーっと睨みつけてるから どうしたのかと思ったよ」

「すみませんっ 睨んでたわけでは…　　無表情ってよく言われるんです」

「あの… ここは？」

『急に言葉がわかるようになった…』

『もしかして ここの料理を食べたから…とか？　そんなことってある？』

「ここは星見亭」

「食堂兼宿屋さ」

「私はここの女将のベリンダ　　あんたは？」

「あ 合田です　　日本から来ました」

「アイーダか いい名だね」

『合田でーすー』

「ニホンって国は聞いたことないけど　　ガルナタ大陸から来たんだろ？」

「あっちは黒髪が多いって聞いたことがあるよ」

『ガルナタ？ そんな大陸 知らない…』

『というか 今までの状況を踏まえて考えると ここって…』

『もしかして』

『異世界…ってやつ！？』

『いやいや 異世界だなんて信じられない』

『でも私が今ここにいるのは事実だし…』

『もしこれが夢じゃないのなら』

『まずはここで生き抜かないといけない…！』

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