200m先の熱　最新話 / 20話

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『僕の人生には』

『タイムリミットがある』

「はいタクマくん ふくをぬいで　　大きく いきを吸って――」

「は… はい せんせい」

『この物語は 僕らがまだ』

『８歳だった頃から始まる』

「…すごい…」

「タクマくんの しんぞう…　　すごい どきどきいってます」

「せんせい ぼく…　　なんだかよく わかんないけど…」

「すごく きんちょうして　　むねが くるしいです」

「それは たいへんです」

「診察を つづけましょう」

「ズボンを ぬいでください。」

「繭ちゃん！」

「逞くん！！」

「さっさと ぬげ～～～っっ」

「たっ…　　たすけて 看護婦さん！！」

《ふんっ》

「ごめんなさい…」

「病院は遊び場じゃないのよ？　　逞くんはベッドに！ 繭ちゃんはお家に帰りなさい！」

「はぁい」

「やだっ」

「繭ちゃんっ」

「繭ちゃんのお父様は 日本でも指折りの心臓外科医で 逞くんの担当医！　　だったら繭ちゃんも 毎日遊びに来たりしないで」

「逞くんが少しでも早く元気になれるように 協力してあげなきゃ」

「ね？ わかったら お家に帰…」

「ヤだっ」

《ゴッ》

「いい加減にしないか繭！」

「人に迷惑をかけるような子は ゲンコツだ！」

「パパ！！」

「「種田医師(せんせい)！！」」

「逞くん調子は どうだい？」

「はい とっても元気です！！」

「じゃあ 胸の音を聴かせてもらおうかな」

《ひょいっ》

「ヤだ――っ かえしてよ あたしの聴診器ーっ！！」

「これはパパのだっ」

「うん 安定しているね」

「ほんとですか！？」

《ぱあっ》

「じゃあ ぼくが元気になって おとなになったら…」

「うちゅうひこうしに なれますか！！？」

「そうだね　　だから治療 がんばろうね」

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