マーメイドメロディぴちぴちピッチは主人公のるちあ達7人のマーメイドが、海の平和を守るお話です。
全部で七巻まで発売されていますが、今回紹介する七巻は外伝的な位置づけとなっています。
この本の中には、読み切り作品も含めて全部で6つのお話が入っています。
私は特に、ヒッポとユーリのお話が大好きです。
主人公達マーメイドの従者でもあるヒッポは、敵の水妖であるユーリに叶わぬ恋をしていました。
一方、ユーリの方もヒッポの事が好きでしたが、敵同士なので泣く泣くこの恋を諦めました。
ユーリ達の正体は元敵のトップ、ガクトに付き従う深海魚でした。ガクトとマーメイド達の全ての戦いが終わったら、ユーリ達はガクトと共に深海へと沈んでいきました。
もう一生ユーリと会えないと落ち込むヒッポでしたが、星降る夜に奇跡が起きるのでした。
私は、ぴちぴちピッチの中でもユーリや水妖達が大好きなので、この話を読んですごく感動しました!
ユーリのお嬢様っぽい言葉使いや敵の時の冷酷な表情に反して、素直で子供っぽい一面があったり純粋な一面があったりするところが好きです。
水妖達四人はそれぞれに魅力があり、主人公たちとはまた違った絆の形が素敵だと思いました。
このお話で特に気に入っているシーンは2つあります。
一つは、もちろんユーリとヒッポの一晩の邂逅シーンです。
たった一夜だけの奇跡だとしても、未来を信じて今は再会を喜ぶ二人の姿が切なかったです。二人が再会した後や別れの時の、屈託ない笑顔が可愛かったです。
二つ目は、ヒッポとの再会を拒むユーリの背中を押す、水妖達3人とガクトのシーンです。
あのガクトが海斗に憑依してまでヒッポに発破をかけるシーンは、今まで復讐心で頑なだった頃のガクトと比べると感慨深いものがありました。
水妖達がユーリに対して攻撃を仕掛けながらも、最後には優しく言葉をかけるのが彼女たちらしくて可愛かったです。
皆バイオレンスな性格ですが、根は仲間思いで仲良しな所にぐっときました。
あとは、悪女な姿を見せるココが面白かったです。ココは、4巻ぐらいまでは大人しくて慎ましやかな性格として描かれていましたが、はっちゃけた姿もギャップがあって好きです。
他のマーメイド達も、ヒッポに呆れつつ優しい表情を見せる所が可愛かったです。
カバーの折り返し部分の所のイラストが、ヒッポとユーリが手を取り合っている様子なのもほっこりしました。
ヒッポとユーリの恋愛模様を語る上で、外せないお話です。