うちの弟どもがすみません｜最新話47話【無料】ネタバレ

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

2022年2月17日まで

「この赤薔薇は ランカスター(我々)の」

「この白薔薇は ヨーク(我々)の」

「互いが敵であるという 徽章(しるし)としよう」

「……それが徒らに凋んで 此身と共に墓に入るか」

「或いは俺が頂上へ登り詰めるまで 満開をつづけるか　　……二つに一つだ。」

「森の奥には魔女がいる」

「だから ひとりで森に行ってはダメよ」

「母上、魔女って？」

「あのジャンヌダルクみたいな？」

「そうね」

「男装の罪で処刑された あの悪魔―――」

「母上」

「エドワード」

「……」

「リチャードが…」

「小さなリチャードが どこにもいないのです」

「母上、」

「どこにいるか ご存知ではないですか？」

「……」

「私のせいじゃないわ…」

「あの子が…」

「あの子が自分で」

「手を はなしたのよ」

「ははうえ？」

「グルルルル…」

「グルルル…」

「…！」

「ははうえ……」

『リチャア―――ド』

「ははうえ……」

『リチャァード』

『リチャード』

『リチャード』

『リチャード』

『リチャード』

『リチャード』

『リチャード！』

『悪魔の子！』

『母上にすてられたか？』

『当然だ！』

『おまえが生まれた日』

『恐ろしい嵐が木々をなぎ倒した！』

『フクロウが啼いた！』

『夜鳴き鴉が鳴いた！』

『不運な時代がやってきたと知らせる為に！』

『おまえの母親は』

『並外れた産みの苦しみを味わった』

『その上 生まれてきたのは――――』

〔おお… 神よ…！！〕

〔あ… 奥様！〕

〔誰か…っ ケイツビー！〕

〔だんなさまをっ〕

『神の御意志に背いた』

『血塗れの悪魔――』

「！？」

『予言しよう リチャード』

『いずれ子を失う大勢の老人が』

『大勢の未亡人が　　大勢の孤児が――』

『おまえによって もたらされた非業の死を嘆き―――――』

『『何故生まれてしまったのだ』と』

『おまえの生まれた日を呪うだろう！』

〔ははうえ…〕

〔リチャード…〕

「リチャード」

「どうしたのだ こんなところで」

〔この子に 私の名を与えよう〕

「リチャード」

「私の息子」

「はあ」

「はあ」

「はあ」

「は……」

「リチャード様」

「まだ動かれては…」

「ケイツビー」

「ちちうえは？」

「君の知る通り…」

「ランカスター家が今尚 理不尽に領有している王座は……」

「かつて正統の王を弑殺し 不正に簒奪したものだ――――」

「そして 私にこの名を下さった父リチャードは」

「謀叛の罪により処刑された…」

「そのせいで貴方が長きに渡り爵位を剥奪されていたことは 痛恨の極みでした」

「だが もはやその名誉も回復した…いや、」

「元より貴方は 王よりも高貴な血をお持ちだ」

「王位継承権で現王を上回るのだから」

「…………」

「私は王になるべきか？ ウォリック」

「…貴方を敬愛する証として」

「この白薔薇に誓いましょう」

「このウォリックが必ずや貴方を王にしてみせます」

「リチャード陛下」

「私も誓おう、」

「命ある限り ウォリック伯を王に次ぐ最高権力者たらしめると」

王になる

「はあっ」

「はあっ」

「はあっ」

父上が

王に

「はあっ」

「はあっ」

「はあ」

光だ！！

「――息子達よ」

「私はこれから この国に大嵐を呼び起こす」

「天国なり 地獄なりへと 千万人を吹き飛ばすような大嵐を――――」

父上は

闇を照らす

「その嵐は この私の頭上に太陽の如く黄金の冠が燦然と輝くまで 荒れ止まぬであろう」

光―――

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