やまもり三香さんの連載作品「うるわしの宵の月」の最新話が読めるデザートは、毎月24日に発売です
同時配信の電子版が便利でオススメ!
もくじ
34話 9巻 デザート 2025年1月号
出版社 講談社/2024年11月22日 発売
妹に婚約者を譲れと言われました 最強の竜に気に入られてまさかの王国乗っ取り? 2022年2月28日まで1巻まるまる無料
『ああ 私は』
『なんて愚かだったんだろう』
『誰かに求めてばかりで』
『愛してくれの一言すら言えなかった―――…』
【大国スレンヴェール】
【リュミエール公爵家】
「聞きましたよ エリアナ様!」
「王太子殿下とのご婚約おめでとうございます!!」
「ありがとうございます ミレーナ伯母様」
「それにしても うらやましいですわぁ」
「王太子殿下のアルヴィン様といえば 品行方正 眉目秀麗 欠点などまるで見当たらない」
「物語から出て来たかのような まさに王子様!!」
「エリアナ様も才色兼備なお方だし これは世紀の美男美女カップルの誕生だわ!!」
「フフフ 言い過ぎですわ 伯母様」
『やっと… やっとここまで来た…!!』
『幼い頃より厳しい教育を受け 家名に恥じぬ人間になろうと 絶えず努力してきた』
『その甲斐あって 父の願い通り 次期国王である王太子の婚約者の座を射止めることができた』
『これでやっと… 公爵家の娘としての使命を果たせる…!!』
「何を言い出すんだ ルーナ!!」
「我儘もいい加減にしなさい!!」
「お父様 私は本気ですわ!!」
『ルーナ…』
『私の実の妹』
「見た瞬間 感じてしまったの!! アルヴィン様こそ 私の運命の相手だって!!」
『は?』
『何言ってるの この子…』
「ルーナ もう決まったことなんだ 第一今まで そんなこと言ってなかったじゃないか」
「今までは遠目でしか見たことがなかったからです!」
「この間の表敬訪問で 初めて間近で見て」
「その時 一目惚れしてしまったの!」
「ねえお父様 おねが~~い」
「ルーナのお願いは なんでもきいてあげたいが こればかりはなあ…」
「お家の地位を高めたいなら お姉様でなくて私でもいいはずですわ!」
「ルーナ」
「いい加減にしなさい」
「お父様を困らせては だめよ」
「フン」
「私諦めませんから!!」
「アルヴィン様のこと好きでもないくせに」
「お姉様って ほーんと お父様の操り人形よね」
「ルーナ!!」
「ルーナの容体は…!?」
「それが 食事も喉を通らないようで…」
「ルーナ お願いだから一口でも食事を」
「いりません」
「アルヴィン様と結婚できないなら 死んだほうがマシよ」
「………」
「まあ確かに」
「どちらを結婚させても 家の地位は変わらないか」
「婚約者の変更を願い出ようと思うんだ」
「すまない エリアナ」
「でもこのままでは ルーナがあまりにも可哀想だ…」
『お父様…』
『私は可哀想じゃないの―――…?』
「いいな エリアナ」
『大丈夫よ こんなバカな話』
『王家が了承するはずないわ―――…』
「王家から書簡が…」
「ルーナとエリアナを呼べ」
「先ほど王家から書簡が届いた」
「婚約者の変更が正式に受理された」
「や…やった!! 本当に!?」
「ああ」
「うれしい… うれしいわ お父様!!」
「ハハ」
「よかったなあ ルーナ」
『本当に… 公爵家の娘なら誰でもよかったの…!?』
『私の今までの努力は なんだったの…!?』
無料期間が終わっても サンプル試し読みできます! 気になったら ぜひチェック♪