おちたらおわり　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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「イアン・ポール・デモルネかあ…　　さすがに いいよなあー」

「名前は おれと同じだってのに この差…！」

「ハ――イ！　　イアン！」

「よぉ！」

「大ニュース！」

「デモルネ！！　　イアン・デモルネが パリから来てるのよ！」

「デモルネが！？　　まっさかー！！」

「本当よ それに ただ来てるだけじゃないの」

「今度 うちのデザインスクールに“デモルネ賞”っての できたでしょ　　その審査員するんだって」

「ああ…！ あのイヴニングドレスのコンテスト！　　学長が 張りきって創れって言ってた……」

「そう それ！」

「ああ！！　　あの超一流デザイナーに 作品を見てもらえるなんて！」

「もっといいの 創るんだったなあ――！！」

「よく言うよ」

「どっちにしろ おそいわよ　　“デモルネ賞”選考会は あさってよ」

「――だけどさ　　よく デモルネが こんな田舎のデザインスクールに……」

「ああ　　ちょうど ここにバカンスに来ててね 学長が頼んだらＯＫしてくれたの」

「ついで…か」

「なっとく…」

「ガッカリしないで 大変なおまけがあるの」

「あのトップモデル “マルチェロ”も連れて来てるのよ！」

「マルチェロって…　　あ この正面のモデルだろ？」

「そう！ 人気絶頂 マルチェロ・マルロウ 15歳！　　デモルネの大のお気に入りよ！！」

「おれだって気に入ってるよ　　いいモデルだよなア　彼女！」

《しーん…》

「え…？」

「彼 男よ――っ！！　　いやだ―――っ」

「だ…だって　ド…ドレス着てるぜ！！」

「マルチェロは女性モデルとして よく使われるのよーっ」

「こんな有名なこと知らないなんて　　いってやろ いってやろ――っ」

「アハハ アハハ　　早くいこう 言いふらしにっ」

「………☆」

『こいつが男だって…！？』

「おい　　兄ちゃん」

「へ…」

「お…　　おれ！？」

「てめーしか いねェだろうが」

「こっち来な」

『な…なんだ こいつ　　ずい分とオーボーな』

『でも… なんか やったら決まってて　　おまけに すげープロポーション』

「ちょっと聞くけどよ」

「このあたりにも盛り場くらい あるんだろ？」

「あ…　　ああ」

「連れてけ」

「なっ…なんで おれが連れてかなきゃならんっ！！」

「連れてった方がトクだぜ」

「“デモルネ賞”が欲しくねェのかい？」

「マルチェロを女と思ってた兄ちゃん」

「え」

「デモルネに あんたの服を推薦してやっても いいんだぜ」

「あ！　　あ…あ おまえ…！ マ…」

「マルチェローっ！！」

「あたり」

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