清少納言と申します｜最終回、結末【無料】ネタバレ

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

2022年8月10日まで

「僕の姿を　　見てはいけないよ――――――――」

『女と生まれたからには 一国一城の主―――――ってね』』

（にしても山奥すぎない？　　まさか道に迷った！？）

ガササッ

『おおっ 第一村人発見』

「スイマセン！」

「ここら辺に「百千家」という おうちが―――」

「お嬢さん　　その道の向こう 森の奥はダメじゃ」

「百千家は お化け屋敷　　みだりに近づくと“オマモリ様”の祟りがあるよ」

『はぁぁ！？』

「えっちょっ…」

（いきなり ご近所トラブルか！？）

『私 百千ひまり』

ザッ

『１６歳のプレゼントは 家でした。』

「でっか…！ 古ッ…！！」

「おじゃましま… じゃなくて　　「ただいま」」

『誕生日のその日 突然“遺言状”が送られてきた　　遺産として遺されていた“屋敷”を 私が相続したと――――――』

『事故で亡くなったという両親 親戚もいないし』

『今まで“家族”との繋がりなんて 一つもなかったのに』

（急にこんなサプライズ…！）

（私の両親はきっとヤリ手だったんだな！！）

『１６年育った施設のみんなも大好きだけど』

『私の“家族”が初めて　遺してくれた家(モノ)―――』

「大事にするしかないっ」

ドゴォ

ビュンッ

『いきなり何だ――ッ』

「でっかかったぞ！ 巨大狸！？ 山犬！？」

「人が大事にといってるそばから壊されるとは…」

『うっわ 中もボロッ』

『でも これって古いというより 何か暴れた後みたいな…』

バフッ

「おう？」

「埃ひどい」

「誰―――？」

『え――――…』

ズザザッ

『わ―――』

「葵 服着て！！」

『！？』

「…っどっ…」

「「「泥棒…？」」」

『―――はいっ！？』

「この遺言状が目に入らぬか！！」

「私は 百千ひまり」

「この家の正式な持ち主です！」

「…たしかに正式な形のようですね」

「ようですねっ じゃないですよ　　アナタ達は一体―――」

「僕は」

「七守 葵」

「こんな所まで よく来たね　　ひまり」

ドキッ

『呼び捨て！？』

「よっ… よく来たねって…」

「こっちは 紫」

「どうも」

「こっちは 伊勢」

「フン！」

「まぁ なんだ… 僕達は」

「勝手に住んでる。」

『！』

「…かっ 勝手にって…」

「ともかく 今日からここは私の家になったので…」

「貴女も　　いきなりこんな怪しい“遺言状” よく信じましたね」

『怪しいのはアンタ達だ』

「ダマされてるとか考えねぇの　　オマエ バカァ！？」

「悪く言わないで」

「この遺言状は 初めて出来た“家族”との絆なんだから」

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