花嫁Reスタート　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『ああ 神様』

『趣味の刺繍目当てに参加した夜会で』

『こんなことになるだなんて』

『誰が想像できたでしょうか――』

『ウェルバム王国には たくさんの貴族がいる　　中でも 王国の三大公爵家のひとつであり』

『今もっとも時めいていると言われる大貴族が ラエトゥス公爵家である』

『今日の夜会は「社交の場」として 非常に重要なものであり』

『伯爵家の令嬢である わたしにとって 社交の場は大事な「職場」　なのですが…』

はぁ～――…

ポツン…

（…暇だわ）

【アウローラ・エル・ラ＝ポルタ】

『今日はいつもパートナーを務める兄様が熱をだしてしまい欠席…』

『無理言って一人で夜会に参加したけれど』

（わたしは社交のために来たわけではないから構わないのですが）

チラッ

キラ　キラ

ぱあ　ああっ

『ああ あの刺繍……』

『砕いた水晶を散らしたみたいに見える』

『金糸銀糸はあんまりやると下品かしらと思っていたけど』

『あちらの方は素晴らしいバランスだわ』

『一色に絞ればエレガントになるのね』

『ああ 星がスタンダードだけど唐草模様もいいわあ』

『あの方の刺繍もすごい！』

『光が当たると艶めかしく模様が浮かび上がって……素敵！』

ぐっっ

『今夜のアウローラ刺繍大賞を授与決定！』

『これが見たかったのよ！ どっちを向いても素晴らしい刺繍ばかりなんて！』

『本日の主催は 流行の最先端にいるラエトゥス公の奥方だもの』

『参加されている方の夜会服も見事なものばかりだわ！』

（地上の楽園は ここにあったのだ！ ありがとう夜会！）

（ありがとう公爵家！ 来てよかった！）

眼　福

（それにしても　　わたしったら ちょっと地味だったかしら？）

う―――ん…

（帰ったら 追加で何か刺しておこうかしら）

（やっぱり花？ 星もいいけど花の中だと唐突か）

（いや 最近話題の東方の文様もエキゾチックで素敵かも…）

キ　ラッ

ゴ　ッ

「痛っっ　　たぁ…」

じん　じん

（な 何…？ 一体何が当たって…）

『これは…』

ひょいっ

（指輪…よね？）

（どうして急に…？）

コツ…

『これは 古い時代の婚姻指輪よね？』

ざわっ

ぬっ

ガ　シッ

「！？」

「指輪が選んだのは この人だ」

「私は」

「この人を妻にする！」

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