Paradise kiss、最終話 完結5巻 感想
※ネタバレ注意です※
私の一番お気に入りのシーンは、最後紫にジョージが作った洋服をトランクルームに置いていくシーンです。紫の家に小包が届き、中に鍵入っているのを見ると紫と一緒に泣いてしまいます。ジョージと紫が別れる時に、あっさりしていますが、洋服を置いていくことでジョージの愛を感じました。ジョージにとっては、自分の作った洋服は何よりも大切なものなので。
ジョージと別れて10年後紫はもしかして、ジョージと結ばれるのか?と思ったら徳森君と結ばれました。徳森君なら納得できました。徳森君は医師になったし、いい人だし、紫のことを思っていてくれたので。そして、紫は10年後もジョージの洋服を着ていることに意味深な印象を受けました。徳森君結婚することになっても、ジョージの存在は消えていなのだと解釈しました。10年後のジョージの姿が見たかったですが、ブロードウェイで行われているミュージカルの招待状が届くという演出も粋だなと思います。あえてジョージを描かないことで、ジョージがかっこいいまま終わっているのだと思います。
2番目のお気に入りは、新年を迎えるためジョージが紫に着付けをするシーンです。これから2人はどうなるの?と切ない気持ちになるのですが、とってもきれいで今までの2人を象徴されています。そして、朝日を見ながら結局2人は別れることになり、涙が止まらりません。別れないでほしい!と何度も心の中で叫んでしまいます。
私が共感したシーンは、香がジョージの家を突然訪ねてきた時に紫が嫉妬してしまうシーンです。紫は嫉妬していることを悟られないように振舞っている所が、切なくなります。そして、香とジョージが卒業後の進路について話し合っているときに、紫は何も聞かされていないと孤立してしまう所はいたたまれません。嫉妬したうえに自分が知らないことを目の前で話されたら、たまりませんよね。
この漫画はストーリーだけではなく、おしゃれな洋服がたくさん出てくるのもおすすめポイントです。漫画の最初のページにその本中で象徴的な1つの服がカラーで描かれていてとてもきれいです。。他のページはモノクロですが、自分で色など想像しながら読むと楽しいです。そして、自分もスタイルが良くなって、こんな服をきれたらいいなぁと妄想してしまいます。ちなみにご近所物語から話が続いているので、ご近所物語を読んでから読むともっと面白くなると思います。
私の好きなキャラは紫とジョージです。紫はこのストーリーの中では、一番普通で共感できる部分が多いです。最初は何のとりえもない女子高生が、モデルになっていく姿は読んでいて楽しいです。そしてどんどんきれいになっていって、最後は堂々とモデルをやっている姿は自分も前向きになれます。ジョージは現実世界にはそうそういないタイプで、容姿も言動も考え方も素敵です。こんな人がいたら大変そうだけど、おもしろい人生になりそうだなと思います。自分も紫みたいにされたい!と胸がキュンとなります。
その他にも個性的なキャラがたくさんいます。イザベラは1番実際にはいないタイプで、トランスジェンダーなのですがで、この本が発行された15年前には認知度が少なかったです。いつもドレスを着ているし、女の子より女の子らしい。ジョージと幼馴染で最後はジョージと一緒にパリに行ってしまうなんとも自由な人。でも、所々良いことを言うなくてはならないキャラです。
実和子はとにかくかわいいです。しかし、心に病を持っていたりと、純粋ですが複雑なキャラです。姉の実果子に劣等感を感じていましたが、最終話には自信を持ち、姉の会社でデザイナーになります。おしゃれで、服装もいつもかわいいです。
パラダイス キスは、普通の恋愛物語ではなく、特徴的なキャラクター達がデザイン関係の道へ進むという変わった話です。自分とはかけは離れた世界に引き込まれます。