夢色パティシエール、最終話 完結10巻 感想
※ネタバレ注意です※
スイーツスピリッツを連れて帰るにはケーキ作り対決をして、女王様やジュリアン王子をはじめスイーツスピリッツスピリッツ側に認めてもらわないといけなくなったいちご達。
しかも聖マリーフランス校の優秀なメンバー達もこの日のためにケーキを作っていて、実力の差に圧倒されてしまういちご達。
実力差はあるけれどみんなで協力して頑張ればきっと満足してもらえるケーキが作れる!とみんな一丸となって取り組む前向きな姿勢が読者にも勇気を与えてくれます。
ケーキ作りの日までにアイデアやヒントをもらったり、策を練ったりといったところが面白いなと思います。
いちごとバニラが協力して作ったロールケーキも、バニラがいちごに見せてくれた城から見えるバラの景色をもとに作ったものなので、二人の友情がうかがえるシーンでジーンときました。
自分たちが作ったケーキを説明するいちごですが、緊張のあまり噛んでしまいます。抜けていて癒し系でかわいいです。
そしてケーキを食べたときの審査員の感想が具体的でとても分かりやすく、文章だけで表現されている部分もあるのに美味しそうなケーキが鮮明に伝わってきて、よだれが出てきそうなくらい想像できます。
スイーツスピリッツ側に認めてもらったチームいちご達。これまで以上に4人とスピリッツ4匹が協力して作った最高のケーキだなと思います。
無事スイーツスピリッツと日本に帰れたチームいちご達は聖マリーフランス校への留学を提案されます。これもスイーツスピリッツ達の世界でケーキを作ったフランス校の優秀な生徒たちからの申し出で、あんなすばらしいケーキを作るチームいちご達と共に学びたいと提案があったからで、ライバルと認めて共に切磋琢磨していく様が見ていて気持ち良いところがあります。
留学は楽しみだけど日本校を離れることになって寂しくなるいちご。日本校に来た当初を振り返っているとスイーツ作りもろくにできなかったのによくここまで頑張ったねとからかわれるいちご。そんなところもかわいいです。
留学の準備でなかなか樫野と会えず、すれ違いの日々を送るいちご。旅立つ前の日にふといつも練習していた調理室に寄りたくなって寄ってみると、そこではテンパリングを行う樫野の姿が。
そして二人で各々ケーキを作ることに。どんなケーキを作るとお互い一切言わなかったのに、二人ともイチゴとチョコのケーキを作っていてさすが気が合うなと思いました。
二人が作ったケーキを重ねたらウェディングケーキのようになり、樫野がいちごにバースデーケーキもウェディングケーキも俺が作る!とついにいちごに告白しました。
こうしてめでたく付き合うことになった二人。ここまでの道のりはじれったかったです。
最後にパリで”夢色”という名のパティスリーのお店を開いた樫野といちご。花房や安藤から開店祝いが届き、どこに飾ろう?とてんやわんやするいちご。留学前から数年経っているので少女から大人の女性になったいちごですが、あいかわらずの癒し系キャラでほっこりします。
なにやってんだいちご、とちょっと呆れながら話掛ける樫野も学生時代の幼さはなくすっかりイケメンになっていて惚れてしまいそうです。
商品ディスプレイには二人がそれぞれの得意分野を生かしたケーキはもちろん、二人の担当外だったケーキも並んでいて技術やバリエーションが豊かになっているのが一目見て分かります。二人がくっついてしかも一緒にお店を出しているのはファンとしてもとても嬉しいものでした。
安藤と花房も数年後は登場しませんでしたが、おそらく安藤は和洋折衷のケーキを作って実家をついでいるのかも知れませんし、花房は庭やバラとを融合させた彼にしか出来ないスイーツショップを経営しているかも!と思わせるとても良い最後でした。