決してマネしないでください。最終回 3巻ネタバレ注意

投稿日：2019年8月1日

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決してマネしないでください。、最終話　完結3巻　感想

※ネタバレ注意です※

うっかり告白した掛田君の恋の結末が描かれた最終回。飯島さんがどのような答えを出すのかが、この最終回の一番の見所です。

年齢差のことを気にして、前に進めない飯島さんを白石准教授が本当に釣り合うかどうかをキメるのは人の脳だと「アダムの創造」を脳ミソに例えて後押しします。この回りくどいやり方が、実に本作品らしいです。

恋愛において、どうしたいかは理屈というよりも感情＝脳ミソであるというのは、実にシンプルなことではあるものの、忘れてしまいがちなことだと思います。その分かりづらい後押しを受けて、飯田さんは掛田君の元へ向かいます。

一方、事故で飯田さんに告白してしまった掛田君は、淡々と実験をしていました。普通なら落ち込んで狂乱しているところですが、そこは、The理系の掛田君。冷静です。

飯島さんをみつけた掛田君は、改めて飯島さんに「飯島さんは真空中の摩擦のない球だと思っています」と勇気を出して告白をします。

当然ですが、飯島さんには全く伝わりません。読者の大多数もぽかーんとなったことでしょう。

そこですかさずフォローしてくれるのが、高科先生。教え子の告白になんで、教授が立ち会ってる上に、フォローアップしてくれるんだろうという素朴な疑問がわきますが、それを気にしたらこの話は成立しません。

高科先生は飯島さんにガリレオの真に優れた仕事は、関係ないものは気にしない考え方を拓いた点だと教えてくれました。

それはつまり、一見全く違うように見えるものもシンプルに捕らえれば本質が見えてくる。則ち、世間の目など本人の気持ちとは関係の無い周囲から与えられる影響を切り離し、自分の気持ちを素直に考え、感じることが大事だということです。

そうすると、掛田君の言う「真空中の摩擦のない球」というのは、年上ということや学歴に大きな差があるという世間の目など気にしない、本質として存在する飯田さんのことが純粋に好きなのだということになります。

とてつもなく回りくどくて、分かりにくい告白。さすが、理系漫画です。

しかしこのあと、掛田君は飯島さんの返事を聞くよりも先に自分がカリフォルニアの大学へ留学することを告げてしまいます。何やってんだ、掛田君。

留学当日、飯島さんが仕事を上がるよりも先に空港に向かおうとする掛田君。告白しっぱなしで逃げようとも見える姿勢に、女性はきっとイラつくことでしょう。実際、私もやきもきさせられました。

煮え切らない二人にゾンビちゃんがさっさと掛田君を追いかけろと飯島さんを後押しします。理屈こねくりまわした人しか出てこない中でのゾンビちゃんの一言は普通なはずなのに、何故かほっとします。

そして、飯島さんから逃げるようにアメリカへ行こうとしていた掛田君もこのままではいけないと思い直し、学校へ戻ろうとしたところで二人は出会い、掛田君は改めて飯島さんに告白をします。

「ガリレオが拓いた古典力学とマクスウェルの電磁気学を（中略）貴女と私を繋ぐ理論を作って様々な条件で検証したいので付き合ってください」

もう、飯島さんどころか読者も放り投げる掛田君の２度目の告白。なんら成長していない掛田君を、また誰かがフォローするんだろうと思いきや、飯島さんは即座に「はい」の返答。

適当に好意を寄せてくれてるんだろうなという予測の返答ではなく、なんと飯島さんは掛田君のために勉強をし、告白の意味を寸分狂うことなく理解するほどに成長をしていました。

好きという気持ちは人を成長させる、そんなテーマが見えそうですが、おそらく関係ないのでしょう。だって、この漫画ですから（笑）

告白という、科学では解説できない感情の表現でさえ、終始、理屈で突き通した最終回はある意味、漫画の歴史に残る最後だったと思いました。

ちなみに途中で出てくる、掛田君が行っていた実験というのが、タバコの臭いはアルコールで消せるか？という実験なのですが、実際に使える知恵でした。

アルコール濃度７０％の消毒用アルコールを散布してから洗濯すると、普通に洗うよりもタバコの臭いが落ちるそうです。

また、干すときにアルコールスプレーをすると部屋干し臭の防止にもなるそうで、実際に試してみたところ、タバコの臭いも部屋干し臭も防ぐことが出来ました。

生活の中で使える知恵が盛り込まれているのも、この作品の魅力ですが、今回の知恵は本当に生活の中で毎回使えて良かったです。

あれ？わたし、漫画読んでましたよね？（笑）