甘宮ちか先生の連載作品「甘やかしてね猫だから」の最新話が読める ショウコミ は、毎月5日と20日 に発売です
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もくじ
最終話 4巻 Sho-Comi 2023年5号
出版社 小学館/2023年2月3日 発売
貴族から庶民になったので、婚約を解消されました! 2022年7月31日まで1巻まるまる無料
『“チェンジリング” それは人間の赤子と妖精の赤子を入れ替えてしまう妖精の悪戯』
『数十年に一度 あるかないかの出来事…』
『今となっては 物語の中でしか見聞きしません』
『それ故 本当に誰かの身の上に起こるなんて』
『当時の人々には考えられもしませんでした』
「おいおい!」
「人間と人間の赤ちゃんを入れ替えるのか?」
「妖精と人間じゃなくて!?」
「フフフ だって!」
「産まれたばかりの妖精の赤ちゃんが」
「今はどこにもいないのだから仕方がないのよ」
「それに そのほうが楽しいでしょ?」
「人間同士を取り替えて何が楽しいんだか…」
「僕には理解し難いよ!」
「それにしても片方は 貴族の赤ちゃんだぞ? すぐ見つかってしまわないか?」
「平気よ! この子は庶民なのに魔力があるから… きっと気づかずに育てるわ!!」
「…そして この子たちが成長してどこかで運命が交わった時」
「初めてお互いが“取り替えっ子(チェンジリング)”に気づくのよ!」
「さぁ その時どうするのかしら?」
「かわいがって育てた子どもが 実は我が子じゃないのよ?」
「ボロ切れのように捨てるのかしら? それとも仲良く幸せに暮らす?」
「どうなるのか楽しみだわ♥」
「貴族と庶民の子どもが交わることなんてないと思うぞ? ずっと このままなんじゃないか?」
「…それは おもしろくないわねぇ」
「…そうだ!」
「この子たちが成人する時に私がバラしに行くわ!!」
「忘れないように 未来の自分宛に手紙を書いて」
『まったく…』
「悪いな… 仲間の悪戯は」
「阻止することが禁じられているんだ…」
『願わくば 君たちの人生が』
『幸多きことを…』
《13年後――》
「本日はアンナ様の成人祝賀会です」
〔アンナ様って 例の?〕
〔そう例の!〕
〔栗色の髪に栗色の瞳!〕
〔セネット家で彼女だけよ?〕
〔顔付きだって悪くはないけど平凡だし〕
〔旦那様方と全然似てないなんて…〕
〔変よねぇ?〕
『今日は私 アンナ・デュ・セネット 13歳の誕生日――』
『今宵 晴れて成人となった私のために』
『盛大にパーティーが開かれるらしい』
『だけど…』
『私の気分は優れない』
『私の家系であるセネット侯爵家は 名門の上級貴族』
『でも私だけが 魔法の才能はおろか 容姿さえ受け継げなかった…』
『セネット一族は 金髪がほとんどで』
『皆 媚眼秋波で美しい翠色の瞳』
『優しい兄様とさえ』
『目鼻立ちが まったく違う』
『そんな目に見えて違う私が 社交の場に晒される日』
[まるでよその子どもみたいよ]
『お母様』
『お父様』
「…こんな顔」
「大っ嫌い…!」
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