白花繚乱 白き少女と天才軍師｜最新話14話【無料】ネタバレ

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

2023年12月13日まで

（定時まで あと３０分…）

「南さん この商品のデータがないの…」

「Ｅフォルダに入ってます」

「南さん 通販リストの―…」

「もう終わってます」

「南さん Ａ社の納品書…」

「ドーゾ」

「南さん 仕事できるよねー」

「通販部のエースだわ」

『ええまあ』

『派遣ですけどね』

（お前らが仕事しなさすぎなんですよ）

『女に生まれて２８年』

『私 南楓が未だ派遣でいるには理由がある』

（あ～こんな事なら荷作りしておきゃよかった…　　大阪行の新幹線 朝７時発だから２６時には寝たい…）

『私は腐女子です』

（定時で退社して コンビニで原稿をコピーして ２４時までに製本すれば　なんとか…）

『ＢＬ同人作家として創作活動に精をだす私にとって』

『お金と時間は とても貴重だ』

『特に執筆時間確保は最重要であるため　　時間に融通のきく派遣でいるのだが』

（あと処理５件！！ やった！ 間にあいそう）

（でも社員が全く終わってない… これは… もしや…）

「南さん…」

「残業を…」

「はい…」

『派遣ですからね』

（３時間押し…ッ）

（今からコピーして… 製本して…）

「お疲れサマでした」

「…」

『頑張れ！！　　頑張れ！！』

『すべては青春(イベント)のため…』

『頑張れェ！！』

「わ――っ」

「メッメイクもおとさんと寝ていたー」

「せっ製本 できてる」

「あと何だ キャリーケース！ チケット…」

「メイク」

「ぐぬぬ…」

「コンタクトが入らない…ッッ」

「くっ　仕方ない… 職場の人に会うわけでもない！」

「急げー」

『そう全ては…』

『今日という…』

『青春(イベント)のため』

「ありがとうございましたー」

「“美波”さ～ん いつも読んでます」

「新刊 楽しみです～♡」

『ね…眠ィ～～ッ』

「ありがとうございます♡」

『でも　楽しい～～ッ』

（これだからオタクはやめられない）

「美波先生ッ」

「佐知さん！」

「めっちゃ混んでて全然入れんくて― やっと来れました！」

「まだ新刊あります？」

「佐知さんの分は取り置きしてありますよ」

「わ～♡　ありがとうございます～」

「あ　今日メガネなんですね～ 赤かわいい」

「赤いメガネ…？　　みなみ…？」

（ん？　　…な…なんでこんな所にイケメンが…？）

「南…」

『な…』

「楓か？」

『なんでこいつ』

「要！！　　楓やなくて美波先生！ 間違えんとってや！！」

『私の本名知ってんの！？』

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