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カードキャプターさくら 全12巻 感想とご紹介

投稿日:2018年4月7日 更新日:

魔法少女が活躍する少女マンガは、たくさんありますが、この「カードキャプターさくら」は、少し特殊でした。
小学4年生の木之本さくらが、魔力を扱う獣ケルベロスと出会い、クロウ・リードという魔法使いが作ったカードを封印する為に奔走するというのは、よくありがちなのですが、他の作品と大きく違うのは誰も悪人がいないという事です。
登場人物全ての人が優しい作品で、魔法少女が活躍する少女マンガなんて、この作品以外はないと思います。
特に好きなのはさくらの家族です。
さくらの家では、お父さんの藤隆さんが「さくらさん」とさくらを呼びます。本当だったら、とても違和感ですよね。自分の子供をさん付けで呼んで、終始敬語なのです。
本来なら冷たくよそよそしい印象へとなるはずなのに、なぜかそうは感じないのです。
そして、お兄さんの桃矢もさくらをとても大切にしています。いつもは意地悪ばかり言うのに、いざとなったら身を呈してもさくらを守るようなお兄さんです。魔法を扱うマンガでしゅじんこうの家族がこれほどクローズアップされる事も珍しいと思います。
そして、この作品は本来なら少女マンガではタブーとされるような関係がとてもあっさりと書かれています。
女の子同士だったり、男の子同士だったり、年の差があったりしても、相手の事を大切に思えるというのが素敵だと思います。特に私はさくらの一番の親友である大道寺知世の存在です。
さくらの為にいつもバトルコスチュームを作り、ハンディカメラを片手にさくらの姿を記録するという、かなり変わったキャラクターではありましたが、そんな彼女が、同じくさくらに片想いをしている香港から転校してきた少年、小狼に対して、さくらが幸せならそれで良いと語るシーンがあるんです。相手の事を思い、自分の気持ちをそっと秘めている彼女の姿は、とても印象的でした。
「カードキャプターさくら」が他の魔法少女と違うのは、心の揺れ動く感じも優しく描いている事だと思います。
様々なカードを封印しながら、さくらは女の子としてどんどん成長していきます。兄の桃矢の親友である雪兎への告白のシーンも、とても好きでした。
小学生の女の子が、年上の人に告白するのがどれだけ勇気がいたのかと思うと、とてもいじらしく見えました。
そして、雪兎もさくらに対して、真剣に向き合います 。本当だったら、子供扱いしてもおかしくないと思います。フラれたさくらが 、雪兎の前では健気に笑顔でいるのが、初恋の難しさが表れていたと思うんです。
最終回で、さくらは自分が本当に好きな人に気が付きます 。ですが 、なかなか上手く伝えられないさくらにいろいろな人がアドバイスしてくれるんです。このラストの話しも魔法少女ものの最終回としては珍しいと思います。
普通は、魔法少女としての成長していく姿がラストシーンのはずなのに、そうではないんです。
私はこの作品は、一人の女の子の成長物語だと思うんです 。読み終えた後に、初恋の時に感じた気持ちを思い出しました。さくらの小狼への告白は見事に成功した時には自分の事のように嬉しかったです 。今までも、女の子が活躍する作品は見てきましたが、こんな風に恋愛が上手く絡められているのが印象的でした。
小学生の女の子が、様々な試練から本当に大切な事に気が付いていく姿が、とても身近に感じました。本当に恋がしたい時には、一度見て欲しいと思います。
好きな人に対して、どんな気持ちで向き合えば良いのか考えさせられると思います。フラれたとしても、相手に対しての気遣いが大切なのだと思わせてくれる作品です 。
最初は子供向けだと、軽い気持ちで読み始めたのですが、その考えは間違いだと思わせてくれた作品です。


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