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ガラスの仮面 1~49巻 感想とご紹介

投稿日:2018年4月6日 更新日:

この漫画は私が人生で一番感動したマンガです。
何も取り柄のない平凡な普通の女の子が、演技をするという才能に目覚め、女優としての人生を歩んでいく。簡単に言えばよくあるストーリーですが、この本は違います。
主人公北島マヤと姫川亜弓という女優二人が切磋琢磨して紅天女という役を目指していく過程では、その役を演じるにあたっての精神論や、世界、宇宙についてまでも深く考えさせられるような描写がたくさん出てきます。「演じること」を通して、何を学び、何を表現し、どこまで演技が表現できるのか、とても深い物語です。
そして単純に夢を追いかける少女に感動する物語でもあります。とても深い話なのに、コミカルで笑いあり
、涙あり、恋愛あり、そこが美内すずえ先生のすごいところです。
アルディスとオリゲルドを北島マヤと姫川亜弓が共演する二人の女王のシーンが1番好きです。姫川亜弓がはじめて自分を忘れて乗り移る感覚を覚えて感動するのですが、北島マヤはその感覚は当たり前だ、ということでショックを受けるシーンが衝撃的です。姫川亜弓は努力型、北島マヤは天才型、というのが初めて目に見えて現れるシーンです。北島マヤは見た目はとても普通なのに、絶世の美女アルディスを演じます。それをどうやって演じるかを模索していく中で心の美を悟ります。心の美しさとは汚れを知らない幸せなこころであり、愛し、気高いこころです。それが表に出るのです。それを悟ってアルディスを演じ切るシーンはとても感動し、学びにもなりました。また反対に、オリゲルドは悪人のように描かれていますが、裏切られてきたという過去があり、悪人のようにしかふるまえなくなってしまった悲劇の女王です。観客は演技力によって、彼女を憎まず可哀そうに思うようになっていきます、その流れもまた凄みを感じます。愛することを知らない、心まで冷え切ったオリゲルドを完璧に演じ切る姫川亜弓。そしてライバルなのに、不思議とある二人の間の絆も確認できる話のシーンです。よきライバルであり、よき友であり、よき同士であり、あってる回数など多くはないのに二人の心には常にそれぞれの相手がいる、お互い認め合っている関係性はとてもうらやましく思います。そしてそのように全力で打ち込める好きなことがあることもうらやましいです。
毎日同じ日々を過ごして、何か足りないななんて考えている生活の中でこの漫画を読むととても熱くなるものがあります。現実的な暑苦しさがとても心地いい作品です。
また、北島マヤは何回か恋愛をしますが、その中での大きな恋、魂の恋である速水真澄との恋はその凄さに涙を流さずには読めません。母を殺した一番憎い人が、自分の一番会いたかった紫のバラの人であり、その人を愛してしまっていたと気づくシーンは胸が苦しくなります。そしてその恋心がいつ演技に使われてくるのかわくわくしています。(本編ではまだ恋の演技は習得できていないので)
この漫画49巻というとても長いマンガで、少しの文章では語り切れません。もっともっといろんなエピソードがあり、すべてにおいてとても記憶に残るものです。私は心からこの漫画をお勧めします。何か熱いものを感じたい人、熱いものを感じたいけど単純なものではあきれてしまうという人など(笑) 夢を追いかけるストーリーですが、たくさんの学ぶことが入っているのでどんな人が読んでも得るものがあるマンガだと思っています。巻数が多いのでなかなか気軽には読めないかもですが、その分「演じること」をとても深く描き、人間の人生、生き方、さらには宇宙や見えない世界のことまでも様々な要素が含まれているとても壮大な作品です。是非一度手に取ることをお勧めします!


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