コミック

この娘うります! 全1巻 感想とご紹介

投稿日:

萩尾望都さんの「この娘うります!」の好きなところは何といってもファッション性の高さです。

最初は地味でおとなしい少女だったドミニク・シトロンちゃん(でもこの時点でもとってもかわいいんです!ドミニクのパパは子供服のデザイナーなのです)が、誕生日に友達から大人っぽいドレスをプレゼントされたことをきっかけにモデルとしての才能を目覚めさせていくところが、描かれているファッションに表れています。

大人らしいパンツスタイルやドレスで背伸びしたいという思春期の感情の揺れ、でもやっぱり好きな人の前ではかわいい洋服が着たい!というドミニクの気持ちがとっても共感できます。

これは普通の少女だったドミニクがモデルになり女優になってスターとして輝くというシンデレラストーリーですが、ドミニクの不安定な感情や、トラブルなども丁寧に描かれています。

しかしまったく暗くはなく、「ドミがんばれ!」と応援したくなったり「ドミの気持ち分かるな…」と共感してしまいます。

前向きでかわいらしいだけでなく、少女らしく揺れ動く感情に思い悩むドミニクにどんどん惹かれていくことでしょう。

最初はスターを夢見て邁進するドミニクですが、恋をすることで次第に「だれがこの世で わたしの たったひとりのひとかしら」と恋の相手を見つめるようになります。

華やかな芸能界に身を置きながらも自問自答して自分を見つめるドミニクがいとおしくなります。

ヒロインのドミニクだけでなく、サブキャラクターたちもとってもいい味を出しています。

ドミニクと恋に落ちる二人の青年はどちらも違った魅力があり王道的な仕上がりになっています。

ほかにも、ドミニクの友人のプチットとパピヨン、モデルクラブの仲間たち、心配性で過保護のパパ、ドミニクの才能を見出す大人たち、恋のライバル、ネコやオウムに至るまで、すばらしいキャラクターたちであふれています。

そしてこの作品の素晴らしいところは、まるでミュージカルのような仕上がりになっているところです。

モデルクラブの面々が「モデルになろうドミ!」と呼びかけるシーンは映画を観ているような気持になります。

ミュージカル映画や舞台が好きな方はきっとお気に入りになるのではないでしょうか。

何十年も前の作品なので、ストーリーやキャラクターたちだけでなく、レトロな絵柄や言い回しも楽しみながら読めると思います。

「ドミはクラビーにメタコケなのよ!」や「はぁ~いマム」など思わず声に出してみたくなるセリフがたくさんあります。

とってもおすすめの作品です。


1巻まるまる無料がいっぱい

画像をクリックして4/26更新の固定ページに移動してください

期間限定 1巻まるまる 今だけ無料で読める作品【10巻まで無料の作品も!】

-コミック

Copyright© あき子&みかん&リリーのまんが感想ブログ , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.