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本家のヨメ 全20巻 感想とご紹介

投稿日:2018年4月7日 更新日:

タイトルを読めばわかりますが、本家にヨメに行った女性の話です。
今の若い人は本家ってなに?と思う人もいるのでしょうか。
本家じゃない人は何かと言えば「分家」と言いますが、本家から跡取り以外が実家を出て新しく家庭を作って行くわけで本家とは大元になるわけです。
ということは盆や正月には親戚がわんさかやってきて宴会するのでそれをもてなさないといけないので本家の嫁というのは本当に大変なんです。
タイトルを見ただけで、これは嫁姑のドロドロ漫画だと思ったんですけど、本家の嫁は大変だっていうのはそのままでしたが主人公ののぞみのキャラのせいでそんなに大変そうに見えないし楽しくみることができました。元気とパワーはあるし、いい意味で鈍感で裏表がない人物なので好感が持てます。

特に注目すべきは大姑のオババ様ですね。
のぞみに対しての姑よりもこの大姑のオババ様のほうがキャラが立っていて、この人がいないとこの漫画は成立しないといってもいいくらい強烈な存在感でした。
オババ様はとてもしつけに厳しいのですが、長く読んで行くと嫁に来た経緯とか夫を亡くした後の苦労とか、これだけ高齢になってもまだ心に引っかかっていることとかだんだん表に出てくるわけですが、それらをのぞみが解決してくれるんですね。

のぞみってぐーたらで不器用でダメ嫁みたいな感じですが、正義感にあふれていて愛情深く人を見捨てたりしない温かい人なんです。
本家のヨメっていうと気が利いて料理上手で人あしらいがうまいとかそんな人がふさわしいと思ってしまいますが、実はそうではないんじゃないかと思えてきました。
あまりにもデキがよすぎる人ってのはとっつきにくいとか引け目を感じたりしてしまうのかもしれませんね。

本家にありがちないびりの小姑軍団なんかもでてきて、これでもかってくらい嫌な登場人物が多いんですが、最後はなんだかんだでのぞみがいてくれてよかったって思ってるところがいいんですよね。
それぞれの登場人物とのぞみのストーリーがそれぞれあって、どの人物にも思い入れができました。
だいたいの人が実はそんなに悪い人じゃなく、深く知って行くとけっこういい人じゃないの?ってことが多く、自分の人との接し方についても考えさせられました。

のぞみの夫である慎二は長男ではなくて次男で、一般的田舎では長男教だからなんで次男?と思いましたが、長男夫婦が、というか長男嫁が田舎の風習に慣れなくて逃げたんですね。長男は妻を追って一緒に本家を出たので跡取りがいなくなってしまったため次男が呼ばれました。
逃げただけで終わりならいいですが、勘当されて本家に入ることすら禁じられるというとても厳しいものでした。だけどのぞみがいたおかげで最終的には長男とも長男嫁ともに和解して行き来できるようになり、大団円です。

いかにもな感じで和解させるわけじゃなく、いつの間にかそうなってたという感じがわざとらしさがなくスムーズにストーリーが頭に入るので作りがうまいなと思いました。
基本的には現代のヨメの話が本筋ですが、オババ様が本家に嫁にきたときの話や、オババ様の双子の妹の話やその時代背景も出てきたりして幅の広い話でした。
それらを全部読んでこそオババ様にも愛着が持てるし、ただの厳しい人ではないということや死別した夫との誤解もすべて解決してすっきりした読後感でした。

1ページの間にも小ネタなどもぎっちり入り込んでいて、1回読んだらもういいっていう感じじゃなく、また読みたいと思わせる漫画でした。
オババ様が最後亡くなってしまう時は心にぽっかり穴が開きましたが、その後にのぞみの子供である三つ子ちゃんが成人して息子がお嫁さんを連れて本家に挨拶に来るところで終わりました。
また、新たな本家のヨメストーリーが始まるなって明るい気持ちで終われました!

この漫画では嫁も子供もちゃんと成長していって大きくなったので終了しましたが、近隣親類の間で毎日のようにドタバタがあり、短編漫画として1話完結で延々読んでいたいなと思ってしまいました。

若い人も年寄りも子供も赤ん坊もうまく描き分けられていて、背景や小物類も細かく描かれていてすばらしいと思います。


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