怪我をしてもなお、リハビリをして甲子園をめざしている大介と、吹奏楽部のコンクールメンバーになろうと頑張っているつばさも高校二年生の夏を迎えます。
つばさは水島にようやく「コンクールメンバーになれるかもしれない」と言われ舞い上がります。
それもそのはず、未経験者のつばさは入部してからずっと頑張ってきたのです。
そんな努力をこの12巻までずっと読んできたので、私もつばさと一緒にすごくうれしい気持ちになりました。
それを喜んで大介に伝えて、大介も喜んでくれるけれど、実は大介がスランプなのです。
自分がつらい状況でもつばさの気持ちを汲んでそれを隠す大介、本当に男らしいです。
でも、それに気づいたつばさは、大介を励ましに行きます。
ここで、つばさにようやく弱みを見せる大介にたまらなくきゅんときます。
そして迎えた甲子園、つばさたちは応援にかけつけます。
ここでやる気のない後輩たちに、水島が「応援に来たくらいでふけなくなる程度の人なら、パートにいらないんだけど」と言ってくれて、クールなのにいいやつという水島の魅力を発揮します。
ほかにもこの巻では水島とつばさの良い関係が築けて来ていて、仲間っていいな~と思うところがたくさんあります。
懸命に応援をした吹奏楽部でしたが、つばさたちの高校は敗退してしまいます。
そして、つばさの方はというとなんとコンクールメンバーに入ることができたのです。
誰もなれないと思っていたけれど、コンクールメンバーになれた、本当にここは泣けます。
でも一人だけできると信じてくれていたのが大介だ、と思いが高まったつばさはもう一度大介に告白をします。
一度目の告白の時とは違って、堂々としていて笑顔での告白でした。
これは、ぐっときます。
入学当初はおどおどしていたつばさが、こんなに魅力的な女の子になったんだなと感慨深いです。
そしてそんな告白に野球一筋な大介もやはりたまらず心動かされてしまうのです。
そしてこの巻のクライマックス、個人的に一番好きな場面に突入します。
夜いつも通り部活を終えたつばさを待っていた大介は、つばさに話をします。
自分はずっと好きでいてもらえるような男じゃない、まだまだやらなきゃいけないことがたくさんある、そう前振りしたうえで、「したけど俺小野がすきなんだわ」「甲子園でれるまで誰とも付き合わないで他の奴好きになんないで待っててくれる?」と、まっすぐな告白をします。
北海道弁がたまりません!
甲子園が終わるまではそっちに集中するといっていたのに、つばさへの思いの強さから言わずにいられなかったのだなというのが伝わってきてたまらなくときめきます。
そして、思いがけない告白にも「甲子園までまってるよ」というつばさが本当に素直で可愛いです。
ピュアな二人に青春時代を思い起こしてしまう素晴らしい巻だと思います。