森野萌さんの連載作品「花野井くんと恋の病」の最新話が読めるデザートは、毎月24日に発売です
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もくじ
66話 17巻 デザート 2025年1月号
出版社 講談社/2024年11月22日 発売
ふつつかな父娘ではありますが / 1巻 -今だけ無料-
2022年4月4日まで
『その日 私は 運命の人に出逢った』
「荷物 持ちましょうか? おばあさん」
あらあら「悪いねぇ お嬢ちゃん」
「いえいえ」
【穂積 苗(15)】
「足元に気をつけて――」
ズ
『あ』
『落ちる…っ』
ポス
トン
『わ…』
「あ ありがとうございましたっ!」
〈ス〉
「金を出しなさい」
『え?』
「スーツがシワだらけじゃないか 早くクリーニング代を寄越したまえ」
『え?』
「それから 礼は必要ない」
「私は愛車を守っただけだ」
「君に傷でもつけられたら たまらんからな」
「大体 鈍くさいガキなど 誰が助けるか フン 馬鹿馬鹿しい」
バタン
ブロオオオ~~
『な』
『何 あの人――!!』
ほっほ「そりゃ災難じゃったのう」
「笑いごとじゃないですよぅ」
「スマン スマン」
「苗ちゃんが相変わらずお人よしだから ついな ワシの時も そうだったじゃろ?」
「アイツにも見習わせたいわい」
「アイツ?」
「ワシの孫じゃよ たった一人の家族だというのに可愛げがなくてのう」
『家族かあ…』
ダンッ
ビクッ
「仕事中に無駄話とは良いご身分だねえ」
「自分が居候だって忘れたのかい?」
「身寄りのないお前を置いてやってんだ さっさと働きな」
「ごめんなさい」
「おい――」
「おじいさん」
「いいんです」
「ありがとう」
『そう 嘘じゃない』
『おばさん達には いつも感謝してる』
『けど ときどき思う』
『家族って』
『どんな感じだろう―――』
フワ
『ふわふわだ そう きっと』
『こんな感じ――』
キラ キラ
「…へ?」
つねっ
「ひはひっ」
「夢じゃないぞ」
「ワシの用意した家は気に入ったかの?」
「おじいさん!?」
「どういうこと!? ここは!? それに その格好…っ」
「止めたまえ」
「祖父は桐生グループ総帥だぞ 身の程をわきまえろ」
「おお 来たか」
「紹介しよう 孫の 桐生 馨じゃ」
『!!』
「あなた 昨日の…」
「ほお 馨のことじゃったか こりゃ運命的だのう」
「さすが家族になる二人だわい」
『へ?』
「苗ちゃん よく聞いとくれ」
「ワシは 可愛いお前さんが不憫な思いをしているのが辛い 苗ちゃんには幸せになって欲しいんじゃ」
「そこで ワシの全財産をお前さんに譲ろうと思っての――」
ゴソ
「じゃん★」
“養子縁組届”
“養子になる人 氏名 穂積 苗”
“養親になる人 氏名 桐生 馨”
「こんな手続きをとってみたわい」
「お前さんは今日から「桐生 苗」 我が孫 馨の娘じゃ」
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