犬飼さんはかわいくなりたい　最終回 / 結末 【無料 ネタバレ あらすじ】

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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2022年4月5日まで

『そのころ　わたしはまだ12歳で』

『全てを知ることができる』

『全てを手に入れることができる』

『全てを彼に差し出し 共に笑い飛ばす権利が』

『自分にのみ有るのだと 思い込んでいた』

『わたしが欲するのは　例えるなら 稲妻が体を貫くような 衝撃・熱・閃光』

「夏芽ちゃん！」

《パシャッ》

「体ごと こっち向いてみて」

『もっと　もっと』

「あ――― いいねぇ」

《パシャ！》

『目が回るほど 息が止まるほど 震えるほど―――』

「夏芽 お疲れ―――！」

「お待たせー お腹すいたー」

「いきなりソレかよ！」

「んじゃ―― 渋谷寄って ゴハン食べよ――♡」

「いや―― 夏芽ちゃん まだ小６だからどうかと思ったけど 読者の評判よくって――」

「ま―― 見えないですしねー」

「正直 ダントツ　　目ェ引くもん」

『わたしは半年前 中学生向けファッション誌のモデルに応募したのだ』

「夏芽――！！！」

「お父さん…！？　　つか お母さん 竜太っ……」

「引っ越しだ！」

「は！？」

「っつーわけで モデルはやめさせていただきます！　　もともと反対だったしな！」

「え？　　え？」

「すみません お世話になりました……」

「え？　　え？」

『なに――――！？』

「父さん 15年ぶりに 勘当されてた じいさんの見舞いに帰郷してたろ？」

「あのじいさん よっぱらってカイダン落ちしただけかと思いきや」

「もう危ないんだと」

「というワケで」

「父さん この旅館 継ぐことになったんだ」

「「ひもねす屋」 ここが新しい わが家だ！」

「老舗なんだぞー 俺で８代目だ！」

「わたし いきなり おかみさんよ――」

「―――ちょっ」

「なにをっ」

「言ってっ……」

「おお 田舎は星がキレイだこと」

「どうだ いいとこだろ？」

「じょ………」

「冗談でしょ……？」

『夏休みも もうおわらんばかりのある日』

『わたしは　この 東京まで５時間のマニアックな観光地「浮雲町」に』

『拉致られてしまったのでした――…』

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