カタワレオレンジ　最新話 / 31話

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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「…千鶴」

「いないのか？」

「――…」

「チッ　あいつ」

「どこに行った？」

〔――…　　でね――」

〔あはは…〕

とんっ

「わっ」

『菅原千鶴　　16歳』

「あっ　　すっ すみませ…」

「それじゃ……」

『うまれて　　はじめての』

『家出中です』

「…ねえ　　大丈夫？ 顔色悪いよ」

「俺の店 近くだし　　少し休んでいったら？」

「え」

「いや…」

「新規は　　３千円くらいだからさあ」

「あ　　あの」

「一応 俺の客ってことにするけど」

「気軽に楽しんでいってよ」

『ここ　　は―――…』

「あ　いらっしゃいませー！」

「へー」

「千鶴ちゃんっていうんだ」

「俺 キョウタっていいます」

「よろしく――」

「ハ～イ　ぼく 純っていいますっ」

「！」

「お席ご一緒させて頂きます～！」

（ど）

「はは……」

（どうしよう……）

「あれっ　　千鶴ちゃん グラス全然 減ってなくない？」

「へっ！？」

「別のがよかった？」

「……」

「いえっ　　そういうわけじゃ…」

「何か他の頼みなよ！」

「おい」

「じ　じゃあ」

「あの席の方と同じものを…」

「シャンパン 入りましたーっ」

「まじ？」

「！？」

「…！？」

「ごめん　　やっぱオーダー消して」

「！」

「えー？　　何言ってんの もったいない！　せっかくなのにぃ～」

「そうだよ」

「おまえ そろそろ売上考えないとクビだぜ？」

「まじすか」

「あの　　すみません……」

「私やっぱり シャンパンなんて…」

「あー　だよね　　やっぱり酒 飲めないんだ　ムリさせちゃった」

「いやっ」

「その …私」

「未成年」

「なので…」

「……は？」

「オーナーっ」

「あﾞ―――っ　　まじで最悪っ」

「……」

「は――　　なに 黙って ついてきてんだよ」

「！　うﾞっ」

「――あの」

「…」

「本当に ごめんなさい……」

「じゃっ」

「オイ」

「逃げんな」

「大体 用もないなら こんなとこ来んなよ　　終電も とっくに出てんぞ」

「えっ」

「え って　　おまえ今から どうすんの」

「――…」

「それは……」

「えーっと　　じゃあ歩いて…」

「どこに」

「…　　…………………」

「…。」

「俺んち　　わりと近くだけど」

「くる？」

「い」

「いいんですか　泣」

「ンー」

（後光が見えるっ）

〈キシ〉

（ん？）

『あれ？』

「ッ…」

『これって』

「う」

〈ドクン〉

『まずいことに　　なってるんじゃ……』

〈ドクン〉

「―――…」

〈ドッ〉

「…ッあ」

「あ　　のっ」

「！」

「は」

「まっ　て」

「ちょ　　なに…」

「―――だ」

「やだ…っ」

「…　　あﾞ～～」

バサ

「わっ」

「ガキは はよ寝ろ」

〈ガシャ　　ズズッ〉

〈ゴトン〉

「うわ　汚」

〈パチン〉

「…　　はあ～～～」

「抱けもしない女のせいでクビかよ…」

「ま いっか　　ホストとか向いてねーし」

「……」

〈カチ〉

〈カチ〉

「寝たばこ　　危ないですよ…」

「うっせ」

うと…

［ところにより晴れ――…］

［のち…でしょう！］

「なんなら いっそ　　ぜんぶ燃えてくれた方が楽だっつの」

（本当に）

『ぜんぶ　　燃えて消えるなら』

（いっそ楽なのに）

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