六多いくみ先生の連載作品「いつかのいつか」の最新話が読める Eleganceイブ は、毎月26日 に発売です
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24話 5巻 エレガンスイブ 2023年7月号
出版社 秋田書店／2023年5月26日 発売
◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇
月影ベイベ 2022年6月9日まで１～３巻が無料
「円おじさ――ん」
「こないだ言うとったＣＤ 焼いてくれたがけ？」
「あ―― レジの横に置いとるから持っていかれ」
「さんきゅ―――」
「そういや 風邪でしばらく学校休んどったんやってな もう大丈夫なのか」
「も――全然平気」
「無理すんなよ」
「はいはい いってきまーす」
《ちりん》
《ちりん ちりん》
《ちりりん》
「―――え？」
《たぱ》
「あちっ…」
『なんだ今のは 幻か？』
『それとも―――』
「佐伯」
「何 転入生に見とれとるが」
「え？ いや」
「教室に知らんひとがおるなーと思って」
「そうか お前 休んどったから知らんがや」
「峰岸さんとか言うたっけ」
「東京から来たって言うとったけど」
「こっちから話しかけても 表情も変わらんし なーんか近寄りがたい感じがするがよ」
「能面みたいだって言うとる女子がおったぞ」
「能面ねぇ…」
「５限目の全体練習は 雨降りそうやから体育館でやるそうでーす」
「峰岸さん おわらの練習 初めてよね おわらって知っとるがけ？」
「……… あんまり……」
「あのね」
「この八尾の町では毎年９月に 風の盆っていうお祭りがあってね」
「ニュースなんかで見たことないけ？ 男も女も菅笠かぶって 唄や三味線に合わせて町なかで踊るんやけど」
「その民謡と踊りが この町に伝わる おわらっていう伝統芸能ながよ」
「この学校では ６月の体育祭でも出し物として おわらを踊ることになっとってね その練習を今から やるがやちゃ」
「………」
「あ でも そんなに深刻にならんでも いいちゃ 伝統芸能といっても そんなに難しいもんじゃないし」
「はじめは誰でも下手くそやし」
「まずは見よう見まねで やってみて あとは私が教えて」
「私 そういうの興味ないから」
「……… ふーん」
「じゃあ 好きにしたらいいちゃ」
「おい」
「行こうぜ 佐伯」
「峰岸さん 全然踊らんで出ていってしもた」
「具合でも悪いがかな」
「さっき教室で おわらに興味ないって言うとったよね 仮病使ってでも 踊らんつもりじゃないがか」
「げ――っ そういうことけ！？」
「そこ しゃべらない！」
「クラス代表 集まったか――――」
「今年の体育祭は クラスごとに違う名人の おわらに合わせて 踊ってみようっちゅう話やったが 音源は見つかったがか？」
「借りてきました」
「ひい爺ちゃんのカセットテープなら」
「あっ」
「ＣＤ忘れたわ！！ ちょっと取ってきます！」
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