小純月子さんの連載作品「海神の花嫁」の最新話が読める 姉プチデジタル は、毎月8日ごろ に発売です!
もくじ
最終話 8巻 姉系Petit Comic (デジタル) 2023年2月号
出版社 小学館/2023年1月7日 発売
シジュウカラ 2022年10月13日まで1~4巻が無料
『漫画家としてデビューする前 私は』
『高橋留美子にも 成田美名子にも 岡崎京子にだって なれると思った』
『だけど 私は』
『誰のようにも なれなかった』
『「ササキ シノブ」 にすら なれなかった』
『綿貫 忍 (旧姓 佐々木) 漫画家デビュー20年』
『アシスタント歴20年』
「お願いします」
「………」
「マリ先生?」
「……佐々木さん」
「本っ…気で」
「ウチ 辞めんの!?」
【売れっ子漫画家 杜殿津マリ先生】
「はっ…」
「はい…」
「引っ越すの やめなよ~ それか 交通費全額 払うから来て~」
「い いや 片道2時間はムリですよ…」
「……」
「自分のマンガも」
「描くの やめちゃうの?」
『引っ越しとか関係なく』
『もう何年も描いてませんし』
(私も… デビューして20年…)
(私のフォロワー… 139人…)
『たんなる「読者」に戻れば』
『きっと こういうのにも ざわつかずに』
「悠太 自分の荷物 ダンボールに入れ終わった?」
「ん―― あと ちょっとー」
「…どうしても おじいちゃんちに引っ越さなきゃダメ…?」
「何言ってんだ 今さら おじいちゃんが死んだ時に決めたことだろ」
「な…中野とは全然ちがうけど 今はネット通販もあるし!」
「そうだよなあ 俺たちの頃はコンビニすらなかったし」
「え 私の時は ありましたけど?」
「でも 自転車で10分だろ?」
「あーあ」
「お母さんが もっと売れてたら 吉祥寺の豪邸に住めてたかもしれないのに…」
「はは」
「そりゃ無理だろ」
「生理?」
「ちがうけど… 付けてね」
「まだ 妊娠できるの?」
「わかんないけど」
「一応…」
(そっちこそ)
(まだ勃つのかよ)
『ひとまわり年上の夫と出会ったのは』
『漫画家デビューして間もないころ』
〔え――っ 中野にお住まいなんですか?〕
【佐々木 忍 22才】
〔中央線って 漫画家いっぱい住んでるんですよね!〕
〔…そうなの?〕
〔でも なんで埼玉のこんなところまで…〕
〔地元なんだよ こいつら 玉中の同級生〕
〔うそ! 私たちも玉中~~~!!〕
〔…漫画家なんだ 結婚しても家でできる仕事だから〕
〔いいよね〕
『それから付き合うようになって』
『私たちは結婚した』
『だけど 中央線に住んだからといって』
『おもしろい漫画が描けるわけじゃないのだ』
『描いても 描いても』
『通らないネーム』
〔あっ もう 夕ごはんのしたく…〕
『慣れない家事』
『子どもを産んだら』
『ますます描けなくなった』
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