けむたい姉とずるい妹　最終回 / 結末

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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「おじさん！　　こっちのネギも買うから 500円にしてくれない？」

「花(ハナ)ちゃん いつも学校帰りに えらいねぇ…」

「しょーがねえからオマケしてやるよ　はいよ」

「やったあ　ありがとうございます！」

「あ ヤバ　　早く帰んなきゃ」

「気をつけて帰んな　まいどありー」

「よっと」

『お父さん お母さん』

『二人が事故で亡くなってから２年』

『自分がこんなに早く一人になっちゃうなんて　　夢にも思ってなかったよ』

「ねえ あの子」

「血の繋がらない知り合いの家に世話んなってるっていうけど　　いつも買い物袋下げて こき使われてんだろ…？」

「…なのに いつも明るくて」

「いたたまれねぇよ……」

『だから』

『私の人生 二人を失った以上のことなんてもう起きない』

『何が起きても 動じないで生きていけると思ってた』

「ん？」

ガチャ

『この時までは――――――…』

「望月 花様」

「お祖父様がお待ちです　　お迎えにあがりました」

「………は…？」

『何 この黒光りの車…？　と黒づくめの男…？』

「他界したあなたの母上…水樹様の父上がお待ちです」

「詳しいことは車中で」

「ちょ…　　ちょっと待ってください！」

『何 この人…！？』

「人違いじゃないですか？　　私のおじいちゃんは亡くなってるはずだし」

「ご存命です」

「あなたは知らされなかっただけで　　とりあえず 中で話を」

『ヤバイ新手の誘拐かも』

「は…放してください！　　私 帰らなきゃ…」

グシャ

「あっ」

「おっと失礼」

「……　　な……」

「何すんの！！」

「食べ物をこんな…　　アンタ どういうしつけされてきたの！？」

『なんなの この男…！！』

がっ

「弁償しなさいよ！」

「弁償するまで帰さないから！！」

「それは好都合」

ポイ

「ちょっと―――――――！！！」

ブロロロロ…

『誘拐―――！！』

「な…なんなの 降ろしてよ！　　おばさんは私に身代金なんか払わないし ていうか そんなお金ないし」

「カ…カラダで払えって言ったって」

「もう戻る必要はない」

「え…？」

「これからずっと　　あんたは俺に護られる運命だからな」

「は…？」

『何言ってんの…？』

「ちょっと どういうイミよ？　　ねえ」

「―――ああ 見えてきた」

「あんたの祖父 天堂 寅次郎の屋敷だ」

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