キリングライン　最新話 / 4話

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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「えー！ 鈴掛さんて谷中から通ってんの？　　歩いて？」

「…うん」

「白山まで さくさく歩いて２０分ちょいかな」

「いいな～ 谷中！　　おいしいモンブランの専門店とか かき氷の店とかあるよね！　前にカレシといったー♡」

「あ――　いつも人 多すぎて 行ったことないや」

「あ　　そうなんだー…」

「猫！　　谷中って猫 多いんだよね～ 写真 見たことある　かわいーよねー♡」

「私 猫に嫌われやすいんだよね」

「………　　なんで谷中に住んでんの？」

まあ「色々あって」

コソ〔鈴掛さんてさ〕

〔うん　　かなり謎〕コソ

「………」

『なんか』

「………」

『やっぱ どうも』

（浮いてるよな　　私）

『茨城の田舎から １年浪人して入った東京の大学で』

『親しい友人と呼べるものはできないまま 半年が過ぎた』

（ま しょうがないけどさ）

『それでも』

『上京して後悔はしていないのだ』

『布に』

『ビーズに　　革のはぎれ エトセトラ』

『ハンドクラフトの聖地☆日暮里に通えるのだから』

（メートル百円！？ 神…！！　　秋冬に向けて 長袖のゆったりワンピとか…　うん、いい！）

『聖地と大学の中間地点が　　たまたま谷中エリアで』

『猫にも行列グルメにも興味はないけど』

『そんな理由で 私は谷中に住んでいる』

（お　　猫）

「…にゃー」

フッシャ――――ッッ

（夕飯はメンチカツだな　　これで実家のキャベツも ようやく成敗できる…！！）

「あ！ 鈴掛さんですか？」

「はぁ…」

「良かった！ お荷物です」

『げっ』　実家の住所…

「おっも…！！」

『いやな』

『予感…』

ぱかっ

どんっっ

「！！」

プルルルー プル…〈はいはい 紬ー？　　あらぁ もう荷物 届いた？〉

「お母さん… こんなに野菜いらないって私 何度も言ったよね？」

〈まー好き嫌いはダメよぉ〉

「じゃなくて！　　前回分もまだ食べきれてないんだってば！！」

「一人でこんなに食べられるわけないでしょ」

〈そんなの お友達におすそ分けすればいいじゃないの〉

どぅふっっ

〈…ん？ あっ もしかして紬 友達いないの？ いつも一人なの？〉

くっ…「そういう　　わけじゃ…」

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