今宵もお待ちしております　最新話 / 17話

◇１巻 まるまる 無料◇ほぼ毎日 更新◇

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『生まれた私に 神父様は仰った』

〔この娘の魂は 大悪魔メフィストに愛されてしまった〕

〔あらゆる魔性を惹きつけて生き〕

〔教会の聖なる加護が失われる１７歳で地獄に連れ去られるだろう〕

「ハナヨメ」

「ハナヨメ」

〔悪魔の花嫁として―――…〕

「ハナヨメ」

「ハナヨメ」

「…いい加減 覚えて頂きたいわ」

「「ハナヨメ」じゃないでしょう？ 小悪魔ちゃん」

「私の名は アンネロッテ＝カペル」

「ああ」

「そういえば あなた達のいたずらで　　食堂が燃えて 私 またクビになりましたのよ」

「約束通り お尻百たたきですわね」

『生まれた時から 悪魔を引き寄せては』

『周囲に災いをふりまいた』

『名家だった我が家をも 悪評と災いで潰しかけた私は　　一年前 遂に家を飛び出し 下町で隠れ暮らして来たのだ』

『せめて』

『今日 この時を独りで迎えるために』

ゴ―――ン　　ゴ―――ン

「１７歳に　　なりましたわ……」

「あなた達とも お別れね　　せいせいしますわ！」

『運命に負けるのは腹立たしいから」

『笑って地獄へ行こう』

「この時を待っていました　　我が花嫁」

『どうせ抗えない　　私は奪われる』

『独りぼっりで』

パン

『誰…』

「やっぱり影か」

「逃したな」

「泣くな アンネ」

『男の…』

「悪魔から さらいに来てやったぞ」

『子供！！？』

「教会から正式に承認され 悪魔祓いを生業とする 祓魔師(エクソシスト)の一族」

「「祓魔の騎士」の称号を持つ ヴェールマン家の次期当主　　ハル＝ヴェールマン様 １２歳でございます」

「ハルでいい」

『祓魔の騎士…』

『じゅうにさい！！』

「えと　い、言っておきますけど 私、無一文ですわよ ハル！」

「強引に連れて来られても 悪魔祓いのお金は一切 持ってませんの　　しかも こんな上等な服…」

「金なんか いらん」

「俺の嫁になれ」

『は！？』

「素性も知れぬ娘に いきなり何を言い出しますの！？」

「南州の名家 カペル家令嬢　「悪魔の花嫁」アンネロッテ」

「！」

『何故 それを…』

「俺は出奔したお前をずっと捜していたんだ」

「１７を迎え この先 お前は満月の夜毎 悪魔(メフィスト)に狙われる　　そこらのひよっ子祓魔師には さじを投げられたようだが」

「俺は 天才祓魔師様だ」

『自分で 天才言いましたわ』

「俺が守ってやるから　　嫁になれと言っている」

『「守る」…？』

「……」

「お断りしますわ」

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