黒執事　最新話 / 198話

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「悪魔の女王を討ち取ったぞ！」

「我々の勝利だ！」

「陛下が間諜にお討たれになった」

「治癒術師を」

「早くっ」

『痛い… 首が痛い…　　何これ？』

『夢？』

『女王って誰？』

『私の名前は東條茉莉だし ごく普通の…大学二年生だったはず』

『確かアパートの自分の部屋で なんのゼミに入るか資料を見てた』

『そうしたら眠くなって……』

「陛下！」

「陛下はご存命だ！」

「戦況は どうなってる」

『戦況…？ ここは戦場なの？』

「落ち着け！」

「まだ退却命令は出すな」

「治癒術師を早く！」

『ここ日本…じゃないわよね』

『ひょっとして女王陛下って私のこと？　　しかも敵に討たれて倒れたの！？』

『女王が戦場に行くなんて駄目でしょう』

『この国の将軍は よほど当てにならないの――！？』

「首を斬りつけられて生きていたか」

『え……　　誰…？』

〔まずは騎獣を起こす〕

『何…？ 勝手に頭の中に声が聞こえる』

「死ぬなよ 女王　　お前が倒れたら報酬がもらえない」

〔この男はダリウス　　気に入らないが頼りになる男〕

「誰が死ぬものか ダリウス…！」

『自然に情報が流れてくるなんて都合がいい―――　さすが夢ね』

『シミュレーションゲームには自信がある』

『夢とはいえ 私が原因で負けたくない』

『…まずは自軍の雰囲気を なんとかしないと』

『やだ 背筋寒い　もしかして“女王”は彼が嫌い…？』

『この感覚は“女王”のものなのね』

『でも今は そんなことを気にしている場合ではないわ』

「誰が討たれたと！？　　戯言も大概にせよ　　討たれるのは我が敵だ…」

「叩きつぶせ！！！」

『懸命に戦う騎士たちに』

『無様な女王の姿を見せるわけにはいかない―――』

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