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東京タラレバ娘、最終話 完結9巻 感想
※ネタバレ注意です※
１話目からリアルタイムでハラハラドキドキしながら読んでいた作品でしたので、最終話も楽しみにしている反面、読むのが寂しいような気持になりました。何といっても今まですれ違いを繰り返して来た、倫子とkeyが結ばれるかどうかが一番気になりました。倫子はすでに早坂さんと同棲を始めてしまっていますので、「これで別れたら家賃とか家具とかどうなるの？」とかなりリアルな心配をしながら読みました（笑）
個人的には安心安全で、理想的な家庭を作れるであろう早坂さんとそのまま結婚して欲しかったのですが、倫子が最終的に選んだのはkeyでした。「私なら絶対に結婚に最短距離であろう早坂さんを選ぶのに！」とも思いましたが、倫子にとってやはりkeyは特別な運命の人なんだなぁとも思いました。それは、keyにとってもで、初恋の先生と似ているだけでなく、倫子の存在自体が切っても切れない縁を感じているんだと思いました。
でも、やっぱり早坂さんは最後まで素敵で、倫子の事をとても深い所で理解してくれているんだなぁと感じました。普通、同棲を始めたばかりの彼女が、自分との約束を破った挙句に嘘をついて他の男の所に行ったら、激怒しますよね。早坂さんは笑って倫子を送り出してくれたシーンにとても深い愛を感じました。考えたら、倫子はkeyよりも早坂さんとの方が、仕事を通して一緒にいた期間も長いんですよね。それだけに「もったいない～」という気持ちが強かったです。
しかし、倫子とkey最終話では今までの喧嘩ばかりの二人とは違って、お互いを理解している雰囲気がセリフに込められていてとても素敵でした。今までのギスギスした関係から、自分の意見をきちんと伝えている倫子の姿が良くに良かったです。特にkeyに自分の気持ちを伝えに行った倫子の泣き顔を見て、「いい年して泣くなよ」と笑ったkeyの顔が本当に心から笑っている表情でとても良かったです。今まで冷笑の表情しかしてこなかったkeyが無邪気に笑っているのは、倫子に心を開いた証拠なのかなと思いました。
keyがあれほど馬鹿にしていた『女子会』も倫子は辞めないと宣言した所は、とてもカッコいい大人の女性だと感じました。そして、まさかの女子会にマミちゃんもちゃっかり参加しているのには笑えました。keyの「増えてる……」というセリフも面白かったです。なんとなく１巻からアラサーの女性達がの飲み会の無意味さをアピールして来た作品だったので、この描写はとても意外に感じました。『カッコいい女にもなりたいけど、たまには女友達とワイワイ女子会やっても良いよね！』というネガティブではない、ポジティブな印象を与えた最後になって良かったと思いました。
倫子の友人の香と小雪も、それぞれ過去の恋愛を振り切って前に進む描写がきちんと描かれていて良かったです。出来れば最終話で、誰か一人くらいはゴールインして欲しかったですが、１話目と比べて全員大人の女性として大きく成長している姿は、同じ同姓としてとても勇気づけられました。
最終話で意外だったのが、お馴染みタラレバのコンビが消滅？した事です。なんだかんだで、ずっと倫子の傍に居座って色々アドバイスをしたりする存在になるのかなぁと思っていたので、倫子が「バイバイ……タラレバ」と手を振るシーンには驚きました。もう未来に向かってしっかりとしたビジョンを持った倫子にとっては、タラレバは必要ないからかなと思いました。どちらかというと、シリアスよりもドタバタコメディ色の方が強い作品だと思ったので、最後の最後でやっぱりタラレバがまた現れて終了……と思っていました。しかし、最終話はコメディ色が少な目で綺麗に完結していましたので、読後すっきりとした気持ちになりました。良い意味で期待を裏切られたラストシーンでした。
