らんま1/2、最終話 完結38巻 感想
※ネタバレ注意です※
格闘高校生の早乙女らんまと、拳法道場の娘・天道あかね。
二人の出会いから、この物語は始まりました。
父親同士が親友で、お互いの息子と娘を結婚させようと、約束していたからです。
でも、あかねは大の男嫌い。
その上許嫁になったらんまは、お湯を被ると女体化してしまうという、とんでもない体質でした。
二人はお互いに意地っ張りで照れ屋で、素直になれなくて……。
割と初期から好意を抱き合っていたのに、顔を合わせれば憎まれ口ばかり。
お互い好きなのが見え見えなのに、それを素直に相手に言うことが、どうしても出来ませんでした。
恋のライバルも多いし……。
でも最終回、死にかけたあかねを救う為、らんまはシリーズ最強の敵を倒しました。
身体中の水分を失い、人形のように小さくなってしまったあかね……彼女を戻すには、ある山から湧く温泉の湯が、どうしても必要だったからです。
人形になっても身体を張って、らんまを救ったあかね。
そして乱馬は彼女を助ける為、山を吹き飛ばして温泉を噴出させました。
お湯を吸ったあかねは、ぐんぐん元のサイズに戻りましたが……なんと彼女は、息をしておらず。
「あかねが死んでしまった」と思った乱馬は、物言わぬ彼女を抱いて、自分を責めます。
「起きろよ……言いたいことがあるんだよ……」
好きだって言わせてくれよ!と思いながら、彼女の名前を読んで号泣する乱馬。
そんな時、あかねが目を覚ましました。
なんと、意識はあったけど、身体が動かなかったもよう。
告白モドキを全部聞かれていた……そのことに気付き、大慌てしますが、時すでに遅し。
まあ、今までも散々、態度に出してたんですけどね。
はっきり言葉に出さなかっただけで。
強敵は去り、皆は中国から日本へ戻り、いつもの生活が戻りました。
ところが……すっかりその気になった周囲が、「もう結婚しちゃえよ!」と、勝手に結婚式の準備を始めました。
二人とも、まだ十六歳のハズなんですが……まあ、ヤボは言いッこなし、ということで。
勝手に話を進められた乱馬は怒り、あかねの部屋へ向かいますが……そこで、美しい花嫁姿の彼女に、言葉を失います。
蘭の花を思わせる、大胆なデザインのドレス。
ショートカットのあかねちゃんに、よく似合っていますね。
ほんのり化粧をした彼女は、とても嬉しそう。
「あたしのこと、好きなんでしょ」と言われて、咄嗟に否定しそうになる乱馬ですが……
「後悔しても、知らないからね」と言われ、もはや無言で肯定します。
将来は、尻にひかれそうですね(今も?)。
シリーズ開始当初から、好きなのに、好きと言えなかった乱馬とあかね。
でもお互いに異性が近付くと、嫉妬したり、動揺したり……。
そんなケンカップルの二人の関係に、ようやくひとつ決着がついた、ケジメの最終回でした。
諦めきれない恋敵たちの乱入で、式は中止になってしまいましたが……。
あかねも乱馬も、モテますからね。
ライバルの良牙、シャンプー、右京にも、それぞれお相手の存在を匂わせるラストでした。
らんま命の彼/彼女たちですが、ちゃんと彼らを見つめている人がいる、そこがこの作品の、良いところですよね。
望みがないからといって、簡単に諦めない!というのも、高橋先生の書くキャラクターらしくて、良いと思います。
ともあれ、これからも高校生として日々をエンジョイしていく二人。
揃って学校へ向かう後ろ姿でおしまい……「ここから先は、延長戦」というナレーションも、なんとなく微笑ましかったです。
有名な前作、「うる星やつら」にも劣らない、素敵な最終回だと。
そうそう、あかねちゃんの高校の制服が可愛くて、大好きでした。
今最終回を読み直すと、スカート丈が長いことに時代を感じたり……。
何度読み返しても、色あせない傑作ラブコメです。