ラブホリック、最終話 文庫版 完結5巻 感想
※ネタバレ注意です※
主人公のシゲルは秘密に交際している上司の朝比奈とついに結婚することになり、結婚式や新婚旅行の案を話し合います。しかし、社内恋愛していることがばれるとどちらかが海外転勤になってしまう決まりの会社のためシゲルの夢見る新婚旅行はできないだろうと釘をさされがっかりしているシゲル。女性であればたくさんの人に祝ってもらいたい、思い出に残る新婚旅行にしたいもの、シゲルがショックなのも頷けます。
両親への挨拶をしたいという朝比奈。「お嬢さんをください」をこれまた夢見ているシゲルですが、もらった指輪が太って入らず、それを知った朝比奈に指輪が入るようになるまで挨拶なし言われており焦っています。二人で外食中も両親の話をしたりと幸せムード溢れる中、帰りに酔っ払ってしまい朝比奈に送ってもらうシゲルですが、シゲルの家は実はごみ屋敷＆ネズミが生息中。見られてしまったシゲルは当然怒られ、なぜか朝比奈が片付けて帰ることになります。いつもクールな朝比奈ですが、片付け中に寝てしまったシゲルに呆れながらも優しく微笑んで指輪をはめていたのが和みました。
ところがある日二人の間にトラブルが起きます。仕事で朝比奈のいるビルへ行ったシゲルは、妙に親しげに女性と話している姿を見かけます。その女性から学生時代の写真をもらっていた朝比奈にシゲルが詰め寄ると、十年前に付き合っていたと言います。二人は現在同じ部署で連絡も取っていたようで、この女性以外にも別れた女性たちと現在も恋愛相談などに付き合っていることを知らされます。これは婚約者としては嫌ですよね。朝比奈は友達だからと割り切っているようですが、シゲルは納得ができません。「結婚するのだから、そういう付き合いはやめて」とお願いしますが、朝比奈はそんな理由でと拒否します。そして「結婚考え直したほうが良いかもな」とまで言われてしまいます。ショックで泣いてしまうシゲル。幸せから一転可哀想です。
友人の香坂に相談した朝比奈は「結婚って少し不便だ」とこぼします。しかし香坂はその軽い縛りがあるから結婚っていいのではと諭します。それを聞いて考える朝比奈。この香坂はかなりの遊び人なのですが要所で朝比奈とシゲルを取り持ってくれる男なんです。
そしてシゲルの両親への挨拶の当日。もしかしたら来ないかもと言ったシゲルは母に怒られています。そんな中朝比奈が到着し、シゲルに「考え直したからやってきた」と言い、やっと夢見ていた挨拶をします。「これからは私がご夫妻の気持ちを引き継いで、シゲルさんの幸せを守っていきたい」というセリフはとっても感動的でした。シゲルは一人娘のようで両親の気持ちを尊重するという事なのでしょう。シゲルの感激もひとしおです。そしてそんな感動的なシーンを隠しカメラで撮影していたシゲルの両親に注意する朝比奈。シゲルの楽しい性格はこういう両親から受け継いでいるのかもしれません。
最後に二人の結婚式のシーンが描かれます。当然会社の人は呼べないので、二人と香坂、香坂の彼女の今村の四人での極秘挙式です。秘密で結婚せず、公表して素直に転勤の道を選ばなかった朝比奈に香坂は意外だといいますが、朝比奈は「離れたくないから」とシゲルが聞いたら大喜びしてしまいそうな胸の内を明かします。そしてシゲルを迎えに行った朝比奈。花婿姿の朝比奈をカッコいいと大はしゃぎするシゲルのウェディング姿をみて、いきなりそっとキスをします。幸せを感じての行動だそうです。このキスシーンとっても可愛らしく、朝比奈を大好きで頑張ってきたシゲルに対して良かったねとしみじみ感じました。挙式前にいつから自分のことを好きだったのか聞くシゲルに、答えをはぐらかす朝比奈で最終回は終わります。きっと結構前から好きだったのでしょう、また始めから読み返したくなってしまうというような終わり方でした。
