シュガシュガルーン、最終話 完結8巻 感想
※ネタバレ注意です※
シュガシュガルーンの最終話。
ショコラとバニラの2人が、魔界のクイーン候補として人間界に飛び立ってから、様々なことがありました。そしてとうとう最後の幕が上がります。
かつて魔界の王であったグラースは妻たちに裏切られ、魔界を追放されてしまいました。
そして、オグルとなってしまいます。
本来、魔女は人の恋心や、愛情などのときめきや感情から生まれるハートを糧としているが、オグルは悲しい心や嫉妬、怒り、憎しみなどから生まれる黒い感情ノアールを糧としていました。
そんな悲しき王がショコラの父親であることを知り、ショコラやバニラたちは魔界へ戻ります。
正気に戻ったピエールと共に、オグルを浄化することのできる「フィルトレ」という力を持つショコラは、グラースへと立ち向かうが...。
ショコラたちがグラースを倒しに向かったあと、まばゆい白い光が魔界中に降り注ぎました。
魔界全体が真っ白に輝き、光があふれます。バニラは何故だか分からなかったが、涙があふれます。
そしてショコラは帰ってきませんでした。
やがて、バニラがクイーンとなります。
そして、クイーンバニラのお披露目の戴冠式の日。
ショコラが命がけで守ったこの魔界を、今度はバニラが守ると決心していました。
末永い栄光と平和を願い、元老院からクイーンの冠を授かります。城の外にはたくさんの魔界の人たちがあふれかえっていました。
その時、バニラはたくさんの人たちの中に、ショコラの姿を見つけます。
驚いて泣いて取り乱すバニラの元に、ショコラが帰ってきました。ピエールとともに。
そして、生きていたことを喜びつつも、今までどこにいたのか?どうやって帰ってきたのか?一体何があったのか。それらが明かされます。
ショコラの力、フィルトレで浄化を計った時、黒が白へと変わっていった…。星が降りそそぎ、いくつもの光の粒につらぬかれて、気づいたらキュイエールの森でふたりは倒れていたらしいのです。
妖精たちが見つけた時はふたりとも死にかけていたが、妖精たちのおかげで少しづつ身体と、心が回復していきました。
その頃には意識はあれど、記憶は消えています。
そこから何ヶ月も経って、ようやく少しづつ記憶が戻り、今に至るのだと話しました。
そして、急いで戻ってきた頃にはちょうど、バニラの即位式であったのです。
バニラは命をかけて立ち向かい、みんなを守ったショコラこそクイーンだと言うが、魔界をここまで再興させたのは間違いなくバニラだとショコラは言い放します。
ここに戻ってくるまでの間に、今までバニラが魔界を復興させるためにしてきた行いは、クイーンにふさわしいです。
それを聞いたバニラは、ショコラがどこかで生きているから頑張れたのだと告げます。
本物の星を頭にいただくもう一人のクイーンは、間違いなくショコラでもある。
美しいふたりのクイーンと、その友情がキラキラと光る締めくくり。
最初と同じセリフ、「あたし達はずっと親友」と言うフレーズが、最終回にも出てきます。
そして、一緒にお城で暮らそうと言うバニラをさし置き、人間界へ行ってくる!と言うショコラ。
最後の最後まで、ショコラらしくほっとする場面でもありました。
最後は大好きなピエールとキスをして、終わりです。
絶望的な波乱の幕開けから、ここまで美しい最後に持ってくるとはさすが安野モヨコ先生。裏切りません。
漫画では全部で8巻となっています。アニメ化もされており、アニメでは漫画とは違うストーリーも楽しめるので、どちらも鑑賞することがオススメです。
大事な展開はしっかりと合っているのでそこはご心配なく。今まで、クイーン候補として幾度となく勝負してきたショコラとバニラ。
バニラが闇に落ち、ふたりの仲が避けてしまう瞬間もありましたが誰もが望む美しい終わり方。
魔界と人間界の対比やそれぞれの世界の良さも描かれ、色褪せない素敵な世界観も楽しめます。