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マギ 最終回 37巻 ネタバレ注意

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マギ、最終話 完結37巻 感想

※ネタバレ注意です※

マギの最終話は、シリーズ最後にして最大の世界の危機を、その世界の皆で退け、大団円で終わったところから始まります。

事件の後遺症で、辺りは瓦礫の山、世界中の土地がめちゃくちゃになってしまいましたが、そこに住む人々は前を向いて懸命に生きようとしています。

事件の以前は敵だった者同士も、力を合わせ復興に努めています。

マギの世界では、個々の人物に違いがどうしてもあっても、それぞれに生きる意味があり、懸命に変わっていこうとする登場人物の姿に心を打たれます。

作者の大高忍先生特有のギャグ調は、最終話でも発揮されており、ヒロインのモルジアナとの結婚式を涙を飲んで先送りにしたアリババの表情や行動は不憫ながらもとても面白かったです。

そんなふうに先送りになったアリババとモルジアナの結婚式ですが、二人を見守ってきたアラジンや白龍、その他たくさんの人々が、アリババには秘密でモルジアナの衣装や飾りなどの式の用意を始めます。

そして数ヶ月後、仕事を終えて家に帰って来たアリババを待っていたのは、とても美しく着飾ったモルジアナでした。

その時のモルジアナは、いつかのシンドリアの謝肉宴で踊り子衣装に身を包んだときのように、顔を赤らめアリババの反応を待っていました。その表情がたまらなくかわいかったです。

アリババとモルジアナ、それを囲む人々が楽しく、そして繊細なタッチで美麗に描かれており、それを見る私もとても幸せな気持ちになれました。

アリババの恋愛事情はマギの初期の方からずっと引っ張ってきたこともあり、このようなエンドを迎えることができて、読者としても嬉しく、おめでとうとお祝いしたくなる気持ちが自然と湧いてきました。

私個人といたしましては、一番好きなキャラクターであるジャーファルが最終話でも出てきてくれたことが嬉しかったです。

ジャーファルを始めとするシンドリアの八人将は、最後の事件の原因の一端を担ったシンドバッドの部下ですが、主がいなくなっても、前を向いて皆が幸せになれる方へ歩んで行こうとしていることが分かり、安心しました。

そして、シンドバッドを忘れてしまったほうが楽に生きることができるはずなのに、ジャーファルは彼を忘れようとはせず、信じて待つことを選びました。

そこには、幼い頃から共に冒険してきた仲間であるという、主従を超えた絆があることが確かに感じられ、心を打たれました。

このように、まっすぐと相手に向き合うところが、ジャーファルの好きなところだと再確認しました。

最後に、マギという壮大な物語を締める人物として、忘れてはならないのがアラジンです。

物語の最初、まだ幼いアラジンはひとりぼっちでした。

ですが、アラジンの最初の願いを聞いたウーゴくんが、彼の友達になり、ひとりぼっちではなくなりました。そして、アラジンはいくつもの長い冒険の中で、たくさんの人々と出会い、別れ、友達になってきました。

最終話では、物語の始まりの場所と同じ場所で、アラジンはウーゴくんに別れを告げられます。

もうアラジンは自分で自分の願いを叶えられるようになったので、安心して待っていられる、と。

登場人物の成長は、マギ世界を語るに外せない要素だと思います。特に、最終話のアラジンと第一話のアラジンの対比は涙腺にきました。

最後のアラジン、アリババ、モルジアナの三人の笑顔はとても眩しく、それもまた涙なしにはみれませんでした。

彼らは新しくなった世界で色んな人を巻き込んで冒険をする、ということが描かれており、物語を読み終えたあとの余韻も最高のものでした。

また、彼らの物語はまだまだ続いていくということも分かり、想像が掻き立てられました。

最終話は沢山の登場人物のその後のエピソードが沢山詰め込まれていましたが、どれもきれいにまとまっており、これまでのマギという物語の軌跡が思い出されるとても良いエンドだったと思います。


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