花より男子、最終話 完結37巻 感想
※ネタバレ注意です※
1話から通してやっとつくしと道明寺が付き合えることになり、これからどうなるのかと思っていました。
今までの2人の関係や道明寺の親のこと、紆余曲折があったけど、どんな形でつくしと道明寺は幸せになって行くのかと思いきや、まさかの道明寺がニューヨークに旅立ってしまうという展開。
さらに加えてつくしは英徳高校に学費が払えず通えなくなり3年生からは都立に転入しなければならないという波乱の幕開け。
花より男子は本当に最後まで2人の関係は安定しないなと笑ってしまいましたが、南国のコテージで抱き合う2人のシーンで本当に幸せになれたんだなあと嬉しくなりました。
プロムでは、ドレスを破ってしまったので司からもらったドレスを着ずにプロムに駆けつけてくるつくしのシーンがありますが、花沢類が「戦闘服最高」と言ったように私もなんだかんだでつくしはこういう格好をしているのがすごくしっくりくるなと感じました。
ここで今までの主要な登場人物がほとんどみんな登場するんですが、ずっとつくしに想いを寄せていた和也がつくしと踊る時に告白にあっさりと失敗し、涙ながらに「道明寺のこと好きだとは知ってるんだ、それでもいい、でも学校だけはやめないでよ」と訴えるシーンは思わず涙してしまうほど感動しました。
その後F4の一人一人とプロムで踊る場面で花沢類、西門、美作について回想するシーンは読んでいて本当に最終回なんだなあとしみじみ感じました。
つくしが「なんで私とばっかり踊ってるの?F3は誰を連れてきたの?」と3人に問うところで3人が一斉につくしを指差して「高校最後に踊る女は全員一致で牧野にしようぜってことになった」と言っていて、つくしが英徳高校での嫌な出来事よりも関わってきた仲間たちに対して一緒にいたいと思って在学を望むという気持ちは読者ながらにそうだよなあと思いました。
つくしを蹴落として道明寺を奪おうとした桜子も改心してつくしの親友になったことや、道明寺と結婚しそうになりつつも失恋して、それから道明寺とつくしのことをとても応援するようになった、つくしのことが大好きな滋さん、つくしのことを一途にずっと思い続けてる和也、そしてなによりF4の存在を考えると、最初に学校を辞めたがっていたつくしが在学をとても希望する(必死にアルバイトをしてでも在学していたいと思っていた)気持ちも大いにわかると思いました。
その後遅れて登場した道明寺がつくしにプロポーズするシーンでは「私はニューヨークにはいかないから、4年後いい男になって戻ってきたら私があんたを幸せにしてあげてもいいよ」とつくしが涙ぐみながら道明寺に「宣戦布告」をしますが、このシーンが特に好きで、つくしのいじっぱりな所や、素直な反応が出来ず勝気な言葉を返してしまう所、なによりも女性や1人の人間としてとても強くて美しい、牧野つくしという人物が形容されているなと思います。
その後のシーンでは、厳しく2人の交際に大反対のスタンスを取っていた道明寺のお母さんが司の姉である椿に「4年司をどうするおつもり?」と問いかけられる場面で「息子といえどこれはビジネスです。司に一任します。」と、四年後道明寺の自由を約束するといったシーンや、つくしの英徳高校在学が決定するなど、絡まっていた糸がどんどん解けて一本の糸になるような感覚でした。
道明寺がニューヨークへ旅立つときに「空を見ろ」と言われつくしが空を見に行くと「Love Tsukoshi(ラブ つこし)」というなんとも道明寺らしいスペル間違いの飛行機雲があるなど実に道明寺らしい演出でした。
絶対にありえないとされていた2人の恋愛が長い月日をかけて綺麗に収束していて、素直に感動しました。